第60回正倉院展

先日、あまりの人の多さに諦めて帰ってきた正倉院展に行ってみた。


おなじかそれ以上に人が多かったかもしれない。どんだけ暇なんだ。平日だぞ?とよく見ると爺と婆ばかり。なんというのだろうか、老臭?加齢臭?死臭?とにかく凄くいやなにおいで充満していた。もう充分生きただろ?逝ってよと思いました。


もうね、並んでやっと入ったと思ったらすごく頭の悪い連中だったようで並ばないの。流れないの。島状に置かれているところはともかく、壁面に沿って展示されているところは並んで流れていけばみんな見られるというのに、例の臭い年より連中が賞味期限のとっくに切れたおしくらまんじゅうやってやがるの。最近の年寄りはまったくなってない。教育も躾もなってない。どうも栄養が足りなかったせいで世代ごとまるごと大脳の発達に障害が出ていたようだ。だいたい張り付いてべちゃくちゃ喋りながら見てるけどさ、裸眼で両目1.5かつ倍率6倍の双眼鏡で見た俺がやっと見ることができるような細かい細工や暗い文様、どうしたって見てないよね、お前ら。どけ。


ゴキブリホイホイならぬ不良老人ホイホイになっていた。あまりの無残な状況に、これは高度高齢化社会を最終解決するために不良老人どもを集めてるんじゃないのかと。天井から毒が降ってくるんじゃないかと。そんな妄想までしてしまいましたよ。一応生きてますけど、ウイルスだったらこれからか…


で、肝心の展示ですが、切りのいい第60回ということもあり天皇皇后両陛下まで呼んだのだし、さぞや力が入っているのだろうという期待もむなしく、例年に比べてもちょっとしょぼいくらいの内容。人出は一番だったのに、内容がしょぼい…


とはいえ、今回一番の売りであった平螺鈿背八角鏡(へいらでんはいのはっかくきょう)
白瑠璃碗(はくるりのわん)はさすがに素晴らしく美しい。しかしちょっと日本ぽくない。あたりまえだ、唐とササン朝ペルシアの物らしい。


鏡の裏面にみっしり隙間なく描かれた螺鈿の花。隙間はあるんだけど、そこには小さなトルコ石が敷き詰められている。紐を通すところであろう真ん中のぽっちにまで螺鈿細工(違うかな?)が施されている。色を塗った上から琥珀を載せた赤がたまらん。明治期に修復した部分の鮮やかさと唐代から残っている部分が混じっているのに、違和感がないの。面白い。


白瑠璃碗は1400年前に作られたガラスの碗。回転する砥石を当てて作られた丸い切り込み。とても1400年前のものとは思えない。良く見ると切子の表面は細かいけれどザラザラしているし、ガラスの中には気泡や不純物らしいものがたくさん残っているけれど、碗の縁、飲み口のところが信じられないくらいつややかに輝いている。照明の具合にもよるんだろうけど、あれはすごい。


実は、この碗とほぼ同じものがもう一点あるが土中にあったためとどめているのは形だけ。最初見たときは素焼きかと思ったくらいにボロボロになっている。1400年。あの碗もいつの日か地震や戦火で割れる日が来るのかもしれないけれど、それにしても良く持ったもんだ。学芸員がおっことしたりして…


後は大したものは見当たらず。というといい過ぎか。まあまあのものもあったけれど図録買ってないので名前がわからん。青くてかわいい台があったなぁ。あれ欲しい。