花咲ける騎士道 【Fanfan la tulipe:2003】

1952年の同名映画(主役はジェラール・フィリップ)のリメイク。





カサノバ』を思い出させるような女たらしのファンファンが結婚嫌さにフランス軍に入隊。王女との結婚を確信して繰り広げるドタバタ劇。


テンポがいい。すごくいい。しかしなんかおかしい。音楽との相性がいまいちなのか。リズムがよくないのかもしれない。


と思いつつみているとそれなりに慣れてくる。変なりに面白く感じてくるのだった。こういうのをコントというのだろうか。私はみている間『カンディード』を思い出していた。


本当ならばもう少し山場と言える事件が怒ってほしいし、それに伴った剣劇活劇ももうすこしあってもいいのになとは思うんだけど、どうもそういう焦点らしいものが見当たらない。勢いというかテンポだけで最後まで走ってしまった感じ。それでも悪くないと思えるのは軽い雰囲気と少ないながらもきっちりした剣劇のシーンの所為だと思う。あとヒロインのペネロペ・クルス(フランス語うめえ)がいい感じで地下牢のシーンなどではうつくしいと言ってもいいくらい綺麗。


他には当時の戦争の作法なんかも面白いし、王侯貴族のダメさ加減がとても面白い。連隊を率いる貴族の顔も、彼のファンファンのうなじにこだわる変態性も笑える。でも一番はやっぱりルイ15世。最高。


たぶん評価は低いんだろうなとは思いつつ自分としては悪くないな、という映画。