東のエデン 第6話「東のエデン」 貴方もジョニーとお別れね

今回はびびびーんと来た。私のへなちょこアンテナでさえ反応するほどしっかりくっきりシグナルが出てた。


サークルの部室(?)でのやりとり。


平澤: ナントイウコトダ、わがサークルの看板娘ばかりか優秀なスタッフ一同が一斉にそんな得体の知れない興味を示すとは。


卒業旅行からこっちいったい何があったんだ。

大杉をはじめとする常に下半身に血流を滾らせし春先ジョニーどものアプローチ、4年間、ひらりひらりとかわし続けてきた歴戦の乙女の名にふさわしい行動とは思えんぞ。もしや何か特別なことでもあったのか?




これはどう見ても森見登美彦ぼっちゃんでございます。そういえばモリミーは神山健治監督と会うために東夷へのこのことお出かけになったことがあったはず。ちょっとまて、今調べてくる。


 そんな根暗なことを考えていたある日、赤いポストに一通の手紙が届いた。

 「森見さんの小説を読んでいる者です。一緒にご飯でも食べて、お喋りしませんか」

 差出人は神山健治氏という男性であった




 数日後、登美彦氏は泉の岸を後にした。

 遠い「凍狂」という街で暮らす神山健治氏なる人物を訪ねるため、旅に出た。

(強調は私)



次、

 登美彦氏は神山健治氏、ならびにproduction I.Gの方々に、たいへん感謝している。

 ちなみに登美彦氏は神山氏と晩ご飯を一緒に食べたばかりで、まだなにも悪いことは企んでいない。

 これは本当のことである。

 しかし、いつの日にか、京都の暗い片隅で一緒に何か悪だくみをするかもしれない。

 「そういうことになれば面白い!」

 登美彦氏は言った。

(強調は私)



次ー!

 おおかたの読者の予想通りにナルシストな一面もある森見登美彦氏は、ウィキペディアで自分の項目を眺めて悦に入っていたのであるが、『夜は短し歩けよ乙女』の項目に「アニメ化が決定している」と書いてあるのを見て驚いた。

 「決定してないよー。そもそも、そんな話はないよー」



 と登美彦氏は言っている。


神山健治氏との会見について書いたことがこういう結果になった可能性がある。



 しかし登美彦氏が神山健治氏と会ったのは、ただ神山氏が登美彦氏の本を読んでくれたからである。



 今のところ、それ以外には何もないのである。

(強調は私)



これで最後かな?

 「羽海野さんには唐突にお願いしてしまって、申し訳なかったなあ」

 「お父様はなんでも急なのですから。思い立ったが吉日なのですから」

 「神山健治氏とお会いしたときに、羽海野さんのお名前を聞いたのだ。しかし羽海野さんにはお会いしたことがない。今日も元気にマンガを描かれているだろうか。それともお正月を満喫されているだろうか」



 「元気にされていますように。なむなむ」

(強調は私)



この流れを見れば分かろうというもの。特に強調したところをご覧いただきたい。


つまり、モリミーの小説を読んでいた神山監督がモリミーに手紙を出してそれに応える形でモリミーは東京まで行って監督やプロダクションI.G.の方たちとご飯を食べていろいろ話した、ということを日記に書いたところスワ『夜は短し歩けよ乙女』のアニメーションか!とwikiに書かれたのを粛々と否定したモリミーであったが、なんだかんだで可愛い愛娘(重複表現か?でも可愛さが余ってるのでこれでいいのだ)の文庫の解説を神山監督つながりで羽海野チカさんに書いて貰ったモリミーはニヤニヤ。 ← いまここ。


そして神山監督―羽海野コンビって何?と言えばこの『東のエデン』に他ならない。そしてこの第6回のあの部室のセリフ。あの場面、森見テイストがあふれていたのは隠しようがない事実であろう。


負傷、ちがう、不詳、ちゃう、不祥、ちゃうがな!不肖わたくしが愚考しますに、神山監督は今回のあの大学やサークルの部室のシーンは、『夜は短し歩けよ乙女』のプロトタイプというか、こんな感じで作ってみたいんですけどーという森見登美彦氏へのメッセージとして作ったのではないか?と。


だって、原作・脚本から監督まで全部神山健治なんだからそういうこともできるだろうし、実際アレくらい明るくかるーい感じで『〜歩けよ乙女』を作ったなら見たいもん。木屋町をぐごごごごーと進む李白氏所有の三階建ての京福電車見たいもん。乗ったとたんにぐあああっと面積が広くなる不思議な電車。『千と千尋の神隠し』のお風呂やさんを上回るきらびやかな世界(ただしぐっと狭い)。


森見登美彦氏の欲の皮が突っ張ってないなら、今回の『東のエデン』をご覧になって「我が愛娘を健治くんにやってもよかろう」とか思われたはずだ。ん。わしは十分よい出来だと思った。


そういや、主役の一人が森美 咲(もりみ さき)だもんね。神山監督から森見ーへのラブコール(ちょう昭和だなぁ)なんだよ、きっと。


追記:“ジョニー”ってなに?で来る人が結構いらっしゃるようなので説明をば。森見作品では、男性(主に主人公)のおち○ち○をジョニーと呼んでいます。たぶんそのまま使われてます。森見ワールドでは当たり前すぎたので造語だと思わんかった…