いやぁ今回の『リーガル・ハイ』は面白かったなぁ(まだ言ってる)。


で、昨日は南モンブラン市ならぬ南アルプス市を馬鹿にしたんだけども新市名繋がりで思い出したことがひとつ。


もう何回も書いてるけれど丹波市のこと。


あのね君たち、そこほとんど丹波じゃないからね。丹波で一番大きな町だったのは亀山(亀岡)であるし丹波町も京都府にあったしどちらかというと京都方面が中心で君たちのところは端っこもいいところだ。それがよくも丹波を名乗れるもんだ。


正直なところ恥ずかしい市名としてはかなり上位にはいるであろう南アルプス市のほうが数倍マシなんですよ。だって南アルプス市と聞いても「ああ恥ずかしい名前だけどちゃんとした地名は別にあるんだろうな」ということは極めて容易に推測できるわけですよ。しかし丹波市と聞いてもまさか丹波ではないなどと思わないわけです知らない人にすれば。もっともらしい名前である分よけいにたちが悪い。はっきり言ってこれはほぼ詐称。


ではどんな名前ならよかったのか。それはもう“氷上市”のほかには考えられません。だいたい元の氷上郡にあった自治体が合併するんだしなにより“ひかみ”という響きが良い。ではなぜ氷上市にしなかったのか。


実は新市名を選ぶにあたって住民から候補を募集したときに最多だったのが“氷上市”で657件、2位が“丹波市”で458件、3位がひらがなで“ひかみ市”の388件。1位と3位は内容的にはほぼ同じものであることを考えると圧倒的に“氷上(ひかみ)”で、普通に考えると当たり前の結果。


しかし応募数は合併協議会が

作品ごとの応募数については、選考の際の参考に留めることとする。

という方針にしたがって氷上を無視して選考を進め最終的に“丹波”に決定している。


私個人としてはこれは最初から結論ありきの出来レースだったとしか思えない。どう考えても「氷上」が最有力になるのはわかっているために最初から「応募数は参考にとどめる」という一文を準備していたとしか思えない。逆に言えばそれほど「氷上」が選ばれるのが自然だったということだし、さらに言うとそこまでしてでも「丹波」にしたかったというのが私の推測。


ではなぜそう思うのか。それは簡単でおめでたい委員の皆さんが正直に書かれている「丹波市を選んだ理由」を読めば一目瞭然だからだ。


  • 歴史的にも全国レベルの名称であり、地理的イメージも充分、今後の新市のイメージ造りや活性化には群を抜いている。歴史的には丹波のエリアは広く、篠山をイメージするとの向きもあるが、合併を機に伝統ある「丹波」の名称を継承し、事実上の新しい丹波を造り上げていけばよい。また、住民や出身者は丹波人であるとの意識もあり、緑多い山あいのふるさとの地としてのイメージを広くイメージさせるだろう。対外的には数多くの歴史的なドラマや古くからの文化をもった中山間の新都市として新旧を合わせもったアピールが可能だろう。また、機をてらった軽薄感がなく、どっしりと伝統ある名称で内外からも広く受け入れられるだろう。以上の点から新市の名称には最適と考える。
  • 全国的に知名度が高い。地理的にもわかりやすく、観光振興上有利と思われる。歴史的な重みもある。ひらがな表示では丹波のイメージが薄れる。

次に“たんば市”について

  • 丹波と漢字で書くと篠山市と合わせてのイメージが強く、ひらがなで「たんば市」としてのブランドを考えて行く方が良いと思う。新市となるには新しい気持ちでスタート出来たらと思う。
  • 全国的なブランド。住民にも深く浸透しており、ひらがなにすれば、やさしく、親しみやすい。

要するに“丹波”という名前がブランドでありそれに乗っかって農産物を高く売りたい、というのが選考理由だったのは明らか。“丹波”という名前に全国的に知名度があるかどうかはわからないけれども少なくとも近畿地方ではたしかにブランドといってもいいくらいの価値があるのは確か。


ただしここで問題なのはその丹波ブランド”を時間とお金を使って一生懸命に作り上げてきたのはお隣の篠山市だったということ。近畿地方の人間ならば丹波篠山”という言葉はずいぶん昔から耳にしているはず。氷上郡の合併協議会の方たちはそれにただ乗りしたことになる。それも住民の意思を無視する形で。


当然ただ乗りされた篠山市にとっては気持ちの良いものではなく、実際私は篠山市の役所のひとから氷上郡が合併して丹波市を名乗るということに対して周辺自治体から反対する意見が出されたけれども氷上側が無視したという話を聞いたことがある。


参考までに“氷上市”については以下のような意見もあった。

  • 古くから使われ、歴史的根拠は充分。全投票の15%を占めており、この名称が最も適当である。
  • 氷上郡の名称は西暦685年(白鳳13年)頃より使用され、歴史的にも古くから多くの人々に慣れ親しまれていて氷上郡全6町の合併による新市の名称にふさわしい。広い地域に埋没することなく独自性を持っていて、市民のための新しい「まち」づくりを目指すという意図を感じる。「漢字」の名称は古くからのなじみに加えて、漢字特有の重厚さを持っている。

ね。重厚かどうかはともかく「氷上」が最適であることは他所の人間にだった簡単にわかる。新市名の選考自体が歴史的に自然な「氷上」ではなく市民を裏切りブランドただ乗りの「丹波」に無理矢理改名、いや詐称したいための似非民主主義的手続きだったとしか思えない。


住民の意志を裏切りかつ自らの手で己を歴史から切り離して(この決定を下した連中は祖先に申し訳ないとは思わないのであろう)まで得ようとしたものがたかだか「足元の金」であり、しかもその方法がお隣篠山が苦労して作り上げたものにただ乗りすることだった、という愚かで恥を知らない行為の結果決まった「丹波市」という名前を、私は未来永劫認めません。


同じように千葉にあるネズミーランドが“東京ブランド”に乗っかる形で“東京ディズニーランド”を名乗ったって当然私は気にしません。なぜなら一私企業のやっていることだから。地方自治体が市名でやるのとは意味が違う。


この決定を下したであろう氷上郡合併協議会委員の名前を挙げておこう(役職その他は2000年当時)。

氷上郡合併協議会委員
役職・所属町 氏名 役職・所属町 氏名
氷上町議会議長 西田正敏さん 氷上町 増南文子さん
柏原町 梅垣隆さん 青垣町 竹内正道さん
氷上町 十倉昭三さん 青垣町 廣瀬隆己さん
青垣町 武田信一さん 青垣町 足立善徳さん
春日町 滝本信好さん 青垣町 足立幸子さん
山南町 足立梅治さん 春日町 田村満雄さん
柏原町議会議長 田口勝彦さん 春日町 近藤良雄さん
青垣町議会議長 山上一雄さん 春日町 木村壽彦さん
春日町議会議長 近藤次郎さん 春日町 瀬尾せつ子さん
山南町議会議長 藤本正巳さん 山南町 竹内功吉さん
市島町議会議長 宮本勉さん 山南町 森田貴美代さん
柏原町 谷垣八郎さん 山南町 藤武美さん
柏原町 臼井光茂さん 山南町 横尾成實さん
柏原町 常岡昌和さん 市島町 吉見徳美さん
氷上町 松尾隆夫さん 市島町 荻野紀久子さん
氷上町 田中洋行さん 市島町 大槻巍さん
氷上町 田中重雄さん 市島町 田中久雄さん



まあそのまま放置している市民(市民ww村民だろ?)もたいがいだけどな。ほんとうに誇りを持って暮らしていくなら今からでも遅くはない、氷上市に戻せばよい。


率直に、氷上(ひかみ)という名前は漢字の見た目も良いし音の響きもうつくしい。両方揃った名前なんてそうそうないのにもったいないにも程がある。ブランドなんてつまらないものほうっておけばいいのに。だいたい氷上高校がバレーがんばって知名度上げてるじゃないか。それを無視した決定だという意味でも腹立たしい。先をみることも出来ない年寄りだけで決めるからこんなことになったんじゃないのか?現代の年寄りなんて年食ってるだけでありがたみなんぞてんでないんだからおとなしく引っ込んでいればよいものを。


ま、どうでもいいんだけどね。ほんとうは私は丹波竜という名前がもっさりしていて格好悪いから嫌なだけなのだ。あれが氷上竜という名前になっていたらどうだ?めちゃくちゃかっこいい名前だろう?

氷上竜(ひかみりゅう)だぞ!