昨日は時間もないのに頭まで洗ってしまってさぁたいへん、な朝であったので今日は早めに家をでた。

ということで、いつもより二本も早い電車に乗ることができて、しかも空いていたので座ることもできた。気分よくバス停までいったらなんとバスがない。いつものバスとほとんど同じ時間までない。早い電車に乗った意味がない。

ということで、ベンチに座って待つことにした。特に面白い場所にあるわけでもなく通り過ぎる車を見ていてもおもしろいことは何もないので文庫本を取り出し読み始めた。2ページほど読んだあたりでそれは起こった。

いきなり後頭部の髪をむんずと掴まれ後ろに引き倒された。膝の上に鞄をのせてその上で本を読んでいたのでなにもできず、そのまま後ろへ倒れ(背もたれのないベンチだった)、後頭部を地面で強打、目の間というか鼻の奥からズンと衝撃が飛び出す。痛さで涙が出て何も見えない。

「痛ぇ」と言いながら両手で後頭部を抱えるが、血が出た様子はない。と思った瞬間右肩の下に手を入れられてひっくり返され、頭頂部をつかまれて(はげるだろっ!)今度は頭を正面から打ちつけられた。涙がさらに溢れでた。

いくら石頭でも痛いものは痛い。涙ながしつつ、おでこに手を当てながら振り返ろうとした。その時、急速に意識が遠のいてそのまま泥のように伏せった。意識が途切れる直前、涙でゆがんだ視界の端に見えた奴の顔には、ひらがなで“すいま”と書いてあった。そうか、おれは睡魔に襲われたのだな、と判ったとたん抗う力が消えそのまま深い眠りに落ちた。

みたいな、すごい睡魔に襲われました。すごい眠い。やばい。何もできないくらい眠い。勝ち目はなかった。可笑しいくらい眠い。ひょとしたら脳みそから冬眠指令が出ていたのかもしれない。クマかなにかの遺伝子が混じってるのだろうか。遠いご先祖、なんてことしてくれたんだ…