どうやら裏切り者らしいその男は小太りの白人男性。地面に仰向けになり、二人の男に左右の腕を取られ、肩を押さえつけられている。


その男を正面から見下ろしている男が一人。どう見ても悪い。裏切りの報復だろうか、手にはごつい銃のようなものを持っている。なにやら一言二言呟く(夢なので音は聞こえない)と地面の男が激しく取り乱し、暴れようとするが完全にキメられているので脚しか動かない。


と、ボスらしい男がその銃を男に向けて左から右方向へと払うように撃つ。音が殆どしない。が、凄まじい数の弾が射出されたらしく射線に沿って男の両脚の脛が斬りおとされる。切手のミシン穴の数十倍の密度で穴があき、血が出るよりも早く脛から下が地面に落ちると、小太りの男の口が裂けんばかりに大きく開く。


その様子を涼やかな顔をしたまま見下ろしている男は、声が小さくなるのを待って今度は男の両太ももを薙いだ。すると小太りの男は前回と同じように激しく叫んだ。口からは大音量の声とともにうっすらと赤い霧が吐き出されている。撃たれたからではなく、大きな声を張り上げたためにノドから血が出ているらしい。


ボスが三度構えたとき、小太りの男が渾身の力を振り絞ったのか、左腕、左肩を抑えていた手下の手が振りほどかれた。と、今度はその左腕が撃たれる。肘を曲げた状態で撃たれたために手首と腕の付け根を一度に切り取られ、掌と肘を中心にしてくの字に曲がった腕が別々にぼとっと落ちる。今度は叫ぶ前に銃口が胸の下、臍のあたりを横に移動すると胴体が殆ど切断される。男は自分の腹に血によって引かれた赤い線を見つめて呆然とするが、その目はまだまだ死んではいない。


そしてトドメを刺そうとしたところで目が覚めた。気分最悪。今でも気持ち悪い。


あれは弾ではなく圧縮された空気が出ていたのかもしれない。なんとなくそんな感じ。気持ち悪い。