きましたね
とうとうきましたね。というかようやく来たというべきか。
2007年ノーベル物理学賞は、 巨大磁気抵抗効果(giant magnetoresistance、GMR)発見の功績により、フランスのアルベール・フェール(Albert Fert)、ドイツのペーター・グリュンベルク(Peter Grünberg)の2氏に授与されることが9日決まった。
GMRですね。鉄クロムですね。だがしかし、Fe/CrでGMRといえば引用や参考書でよくみる名前Baibich、彼の名前が無いぞ?
Fe/Cr/Feの三層膜のFe層間の反強磁性的結合が1986年でドイツの Grünberg 次いでFe/Crの多層膜でのGMR発見が1988年でフランスのBaibichってあれ?やっぱりBaibichじゃないのか?
と、論文を見てびっくり。
- P. Grünberg, R. Schreiber, and Y. Pang Phys. Rev. B57 (1986), 2442
- M.N.Baibich, J.M.Broto, A.Fert, F,Nguyen Van Dau, and F. Petroff Phy. Rev. Lett. 61 (1988), 2472
フェールがいた! ちょっとー!ファーストオーサーじゃないし。えー!?と
実質Fertの仕事だったってことなのか、それともこの論文より前にGMRで出していたのか。前にあったかもしれんな。兎に角Baibich涙目だなぁ。BCS理論のように入れてあげてもよかったんじゃないのかなぁ。
もう少し詳しい記事だと
スウェーデン王立科学アカデミー(Royal Swedish Academy of Sciences)は、「GMRの発見により、ハードディスクは大幅に小型化された」とたたえている。
ほぉ。もうそろそろGMRの次の技術であるTMRへ移りそうだけど、TMRもノーベル賞貰えるのか。と、同記事にたいへん見慣れたお名前が
IBMの実験物理学者、スチュアート・パーキン(Stuart Parkin)氏によって突破口が開かれた。同氏は、薄い磁気層と非磁気層を交互に重ねたGMR素子の構築に「スパッタリング」と呼ばれる技術を適用し、実用化への道を開く。IBMは1997年、この新技術をハードディスク製品に導入、業界各社もそれに続いた。
ちょwパーキソ! 結構渋くてかっこいい受賞した二人は結構渋くてカッコいい素敵なおじさんだけど、パーキソは見るからにGeekで親しみが持てますね → IBM Research - Almaden - Locations
この記事けっこうちゃんとしてるな。でも“スピントロニクス”とか言ってる連中には軽薄なのが多いので気をつけましょう。見た目や聞いた感じが派手なやつが好きって人が多いけど、本物の立派な科学者は殆どいません。これだから競争的研究資金とかやめたほうがいいと思うんだけどな。評価の基準がしっかりしてればいいけど、分かってない素人が判断するからどうしても軽薄なアピールが増える。
で、キーキー声の青色LEDとか三重大学のカーボンナノチューブはまだですか?あ、ナノチューブは単独では貰えないかも知れんな。C60サッカーボールと同時受賞かも。