新日曜美術館

『ぼっけえきょうてえ』の表紙じゃないですか。おもしろい。


甲斐庄楠音(かいのしょうただおとという人の『横櫛』だった。画も面白いけれど画家本人も相当興味深い人だった。自身女形の格好をして写真に写ってみたり、ちょっと絵描きを休んで溝口健二監督(内田樹似)の映画の衣装を担当したり(アカデミー賞にノミネート)。ただ、彼が生涯で唯一愛した女性という人の話も凄かった。この人は画家仲間の妹でトクという名前なんだけど、このトクさんは株成金に見初められて殆ど無理やり妊娠させられ結婚してしまったらしい(トクさんの子孫は怒らないのかな)。NHK教育とは思えないナレーション。東海テレビの出番だろと思うような展開。大正時代というのはどんな時代だったのか、よく判らない。なんか面白そうなんだけど。


最後にこの画家がずっと描き続けてきた未完の屏風画が紹介されていた。たくさんの女性(豊臣秀次の家族縁者)が描かれているんだけどたった二人しか彩色されてない。そんなものなんだけれど一瞬見ただけなんだけれど完成したものを是非見たかったと思った。


何者かにひれ伏したい心。

何者かに反抗して荒れ狂いたい心。

この二つが絶えず私を苦悩さす。