丸山景観

映画を見た後『丸山景観』という専門書なみの高価な大型本出版記念のトークイベントへ行った。

丸山景観

丸山景観

お二人のどまん前に座ってしまって最後まで内心おろおろしていた。嫁はんに桃のスカート履いてけば?と勧めたのは正解でした(お二人に何度かいじって貰えました)。


デザイナーの丸山敬太さんとアートディレクターの森本千絵さんの制作過程が似ていたり異なったり、というお話が面白かった。おっと思ったのは20年の仕事を振り返ったとき、「若い頃作った服を見たとき数年前ならとても恥ずかしく思っていたんだけど今見るともう絶対にああいうものは作れないからとてもいとおしく感じる」といったような話をされたこと。なんか「恥ずかしい」だけで終わらないところがキャリアの長さをリアルに示しているようで興味深かった。


森本千絵さんの得意技のひとつが表紙にもなっているコラージュらしく、お話を聞いているうちに昼間に見た『悪童日記』の日記を思い出したりして面白かった。


本の表紙になったコラージュはポスターにもなっていて始まる前に1階でじーっと見ていたんだけど、実際に作成過程の話なんかを聞いた後で見るとすごくよく見えてきたりしました(単純なのでね、わし)。龍とか桃の所為かどうも中国っぽい風景。まんなかに山が聳えていて、その山の右側がどうも夜、左側が昼をあらわしているように見える。夜の部分に大きな赤い花がどんと配置されていたりするのもなんか良いのよね「夜の花」って感じで。

で、その真ん中の山の頂上に傘を差して座っている仙人のような人がいて、それが丸山敬太さんの写真なのでした。その丸山さんは山の左側、昼間の方角を向いていて、目線は少し上を向いている。

20年の作品群のうえに丸山敬太がちょこんと座って軽く上を見上げているという配置がこの本にぴったりだった。

質問のときにこの写真は今回のために撮影されたのかどうか聞こうかな?と思ったけれど門外漢なので尻込みしてしまいました。どっちでもいいんだけどね。とにかくあのコラージュは素晴らしかった。