朝出かける用意をしていて、そろそろ出るか、というタイミングでベランダに出てみると空は厚く低い雲に覆われておりかなり暗い。遠くの空を見るとすでにかなりの雨が降っているようなけぶった様子だった。


部屋にもどって「かなり降ってる。ちょっとしたらこっちも降り始めそう」というと家族が「じゃあ1限目はあきらめるか〜」と返事をした。


どうかなぁ行けるかな?ともう一度ベランダに出ると外は暗いどころではなく真っ暗、すでに夜になっていた。その真っ暗な空に上っていく黄色の線が見える。線といっても破線で、目が慣れてくるとどうも対空砲火のようだった。と、次の瞬間目の前で爆発が起こった。

爆発は球状で、その明かりに照らされる形で戦艦の砲と外形の一部が見えた。

どうも戦争が始まったらしく、それもいきなり内地まで攻め込まれているようだった。戦火の明かりは綺麗というにはあまりに近く、砲声と夜の闇に漂う煙はひたすらに恐ろしいだけだった。