少年メリケンサック 【Shonen merikensakku:2008】

見た。


少年メリケンサック スタンダード・エディション[DVD]

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大手レーベルの新人発掘担当の契約社員(え?)栗田かんなを宮崎あおいが演じる。mixiにうpされたパンクバンド「少年メリケンサック」の動画を見て社長(ユースケ・サンタマリア)に見せたところその昔、レーベルの稼ぎ頭であるTELYAとともにパンクバンドをやっていた過去を持っていたことが判明、一気に全国ツアーまで話が進むが、じつはかんなが見た動画は20年以上昔のバンド解散ライブの様子でメンバーみんな現在ではおっさん(ほぼみんなロクデナシ)になっていた。ということでドタバタ。


本筋とはまったくといっていいほど無関係なTELYA(田辺誠一)というキャラクターがすばらしい。素晴らしくばかばかしい。たぶんGACKTが主なモデル。いやぁいいねぇ。中村敦夫とのシーンがよい。


本筋。これは宮崎あおいを見せるための映画。


宮崎あおいvsろくでなし・落ちこぼれ中年4人組という設定がいい。これが1対1だとどうしても親子関係や恋愛関係に流れてしまうところ、おっさん連中を対置したことで焦点が宮崎あおい一人に。いちおうボーイフレンド(勝地涼)もいるがどうみてもダメダメ。回転寿司屋をやっている父親として哀川翔が出てくるが“父親が居る”ということを示すだけで話には絡まない。そして母親は存在そのものが不明。雰囲気からすると父親ひとりで育てられた感じ。あおいのほかに女性が出てこない(ほぼ)。


つまりこれは宮崎あおいの紅一点映画になっているのだった。


じゃあ肝心の宮崎あおいどやねんと。かなり軽薄な感じも漂わせつつ哀川翔の娘ということでじつはしっかりした芯らしいものもありそうだったりと、はっきりしない。フワフワした感じ。この辺は宮藤官九郎キャラっぽさか。


パンクバンドのおっさんども4人(佐藤浩市木村祐一田口トモロヲ三宅弘城)との掛け合いは良かった。とくに佐藤浩市にぼかすか蹴りを入れられて、そのたびにギャー、うがーと大げさに受けつつ倒れこむところなど。


じつは宮崎あおいの出ている映画はそこそこ見ているんだけど、今回ハッとしたのはお酒を飲んで酔っ払うシーン。大五郎の青4リットルを抱えて酔いつぶれておった。おお、あおいも大人になったのだな。で、この酔っぱらったときの顔がいいんだわこれが。かわええ。ありゃええ。一度いっしょに飲んでみたい。一回でいいから。ええやん、ええやん、ええやろ?ええやろ?一回くらい。


ふう。役者も全体的に良い感じ。烏丸せつ子はちょっとショックだったけど。


そうそう峯田和伸と言う人が町田康に似てた。ぱんく顔なんだろうか。あと田口トモロヲがガイ・ピアースに似てることを発見。口元限定だけども。