ネタばれ注意

なんでもないんだけど。


先日の講義の最終回での仁木さんの質問の回答で『サンセット大通り』(サンセットブルーバード)の語り手は誰なんだよ!死んでるんだよ?死後の世界の存在を認めるような変な宗教観を押しつけんなや!@imdb(英語で)という話。


あれで思いついたのさ。


ミノタウロス』の語り手ヴァシリはまだ死んでないんだよ。


というのも『醜聞の作法』のなかに“冥府(リンボー)”って単語が出てきたときにひらめいたのさ。最近のリンボーといえば『インセプション』ですよ。


あれより階層の下のほう、深いところでは上層に比べて時間の流れが圧倒的に速い。なので4層目の夢のなかで50年過ごしても現実では数時間眠っていただけだった(細かい数字は忘れた。たぶんそんなもの)。


人間死にそうになるとそれまでの人生が走馬灯のようにグルグルとっていうのと同じ。死にそうになって脳のクロック数が一気に数ケタ高くなったと思えば、弾喰らってから絶命するまでの短い時間のなかでも、ハードカバー一冊分の回想だって出来るはずなのだ。しかも死に近づけば近づくほどクロック周波数はどんどん上がっていく。そうすればどんどん語りに使える時間が伸びていく。そうにきまっている。それ以外考えられない。


あ、でも『サンセット大通り』はちょっと無理があるかな。ま、いいや。少なくとも『ミノタウロス』には適用できる。できる。する。決定。確定。きまり。