ベスト・キッド 【The Karate Kid:2010】

見てきた。もはや空手ではなくクンフーなんだけど、タイトルはそのままだ。邦題だと舞台がどこになっても『ハムナプトラ』っていうのがあったけど、原題でもあるんだな、こういうの。


主役の少年はウィル・スミスの息子で、エンドクレジットでは撮影に両親がべったりだった様子が流れる。顔は結構可愛い。股割も完全に出来るし、ダンスも上手いし、演技もまあまあだし、ひょっとするといい役者になるかもしれない。


父親を失った少年が、母親の仕事のために中国の北京に引っ越したことから話が始まる。まあ現地で悪い師匠に悪いカンフーを習っているガキ大将に苛められて、それを見たアパートの管理人ジャッキー・チェンが少年に善良なカンフーを教え、トーナメントに出場して対決する、というお話。


決勝を前に吸い玉を使った治療を行うところとか、所どころ元ネタの『ベスト・キッド』を思い出させるシーンがある。話の展開もほぼそのままのような気がする。ただ主人公が少年なんだけど、同じように、あるいはあれ以上に、フルコンタクトでボカスカやり合う。大人がやってもおかしくない感じのアクション、というか暴力性。全体的にみるとテンポが悪くなるところもあって、イマイチだけど、場面場面はなかなか良いと思う。『耳をすませば』見たいなシーンもあるので喪関係は気をつけるべし。ヒロインは変な顔なんだけど笑うとかわいいんだな、結構。


悪役の子供たちと少年を助けようとしたジャッキーが戦うシーンがあるんだけども、あの一連のカンフーアクションはなかなか良くできていた。子供たちもジャッキー・チェン相手にああいう撮影が出来てさぞ幸せだっただろうと思った。なんてったって相手があのジャッキー・チェンだもん。


で、主役の少年もわりと良かったんだけど、ジャッキー・チェンが凄く良かった。ちょっと鼻につくようなシリアスなシーンではあったけど、全体を通して結構渋くて感じのよい仕事をしていて、これは年をとっても、アクションが出来なくなってもこれからもずっと映画にでられるんじゃないかと思わせるような、はじめて見たような、そんな演技。いいよ、ジャッキー・チェン。香港映画だと、どんなにシリアスな場面でも、話自体がバカバカしすぎる展開だったりするのでジャッキーが頑張っていても乗れなかったんだけど、今回普通な話でちゃんとした演技をしていたので、使われ方が酷かっただけなんだと分った。アクションだけじゃなかったんだと。


ということで、これまで見てきた香港映画やハリウッドのジャッキー・チェンよりずっとよかった。あと、山奥のカンフーの聖地みたいなところとか、普通に面白いものが見られて楽しかった。すげえ行ってみたい。『カンフーパンダ』なんかでも同じこと思ったけど、香港映画なんかよりもアメリカ製映画のカンフーのほうがずっとよくカンフーのことわかってるんじゃないの?とか感じるんだよなぁ。もちろん俺自身知らないから、なんとなく本物っぽい雰囲気があると思うだけだけど。


ただなー、『ウィル・スミスの息子』度が高すぎる。エンドクレジットだけだけど。かわいいけどね。泣きそうな顔したらお父ちゃんそっくりで、あどけないからとてもかわいい。ショタっての?多分受けるね、あの子。


エンドクレジットは、撮影風景(NGシーンじゃない)が見られてそれなりに面白かったんだけど、もう一点目を引いたのが、すべての項目に関して完全に英語と中国語の併記だったこと。なんとなくアメリカの中国重視の一端を見たようで興味深かった。