ドゥームズデイ 【Doomsday:2008】

これを見た。


『ドゥームズデイ』(音がでます。うるさいし開かなくていいと思います)


終了後、映画館から出てきた大蟻食先生「今年みた映画のなかでワーストだ!」と怒っておられた。怒りの矛先であった哲也先生は楽しそうだった。


私はといえば、やはり最低だった、と言わざるを得ない。です。つうか、映画館で見た映画のなかで最低だったかもしれん。


とはいえ、あまりにも酷すぎる映画というのはなんというかこう却って楽しくなってきたりするのだった。


ボブ・ホスキンスマルコム・マクダウェルデヴィッド・オハラにアレクサンダー・シディグなんていうなかなか渋い役者が出ていたのでそれなりに期待していたんだけど、冒頭から嫌な予感はあった。『アンダーワールド』のケイト・ベッキンセールにそっくりな主役の女優(この時点でおかしい)が警察だかなんだかの精鋭捜査官なんだけども、ロープを伝って犯罪現場である船に乗り込む姿はどう見ても精鋭ではなく、そのほかの立ち居振る舞いも精鋭には見えなかったし、致死性ウイルスが蔓延したために25年前に封鎖されたスコットランドへ潜入する際に、政府から送り出された精鋭部隊もまた、まーったくこれぽっちも精鋭にみえなかった。主役の女優を精鋭に見せるために、国の一大事を任せるはずの最精鋭部隊のレベルを落としたとしか考えられない。既にこの時点でダメは確定していた。


それでも、と思っていたんだけども実際グラスゴーに入ったところでこの映画が『28日後』から『マッドマックス』に変わったところでその弱弱しい希望も潰えたのだった。この映画はその後さらに『マッドマックス』から『ヴィレッジ』+『戦国自衛隊』へと進化を遂げ、最後には主役が草薙素子少佐になったところで終わるのだった。


なぜこうなった?と思いつつ映画を見ていてある可能性に思い至った。お金がなかったから、というのが私の予想だ。その証拠に終盤に出てきたピカピカの高級車によるカーチェイスのシーン。これは結構長いシーンなのだけども、驚くべきことにこのカーチェイスのシーンはその高級車を一切傷つけることなく撮影されていたのだった。


車同士の衝突などは火花や編集で誤魔化していることははっきり分かった。途中フロントグラスを叩き割られたのを見て、「おお!さすがにフロントグラスくらい割るわな、カーチェイスだし」と思ったのだが、よくよく見てみるとひび割れが白い線で描かれているだけで、実際はヒビ一つ入っていないのだった。その後もドアミラーがぶっ壊れておちるシーンがあったんだけどよく見るとこれもまたオンボロの別の車をつかって誤魔化していただけで、壊れてはいないのだった。車のふきかえなんて初めてみた!


いったんダメだと結論が出てからは、大仰な音楽もいたって真面目な芝居もただただ、ひたすらに笑いの燃料と化したのだった。いやぁ、映画ってほんとうにいいものですね!


ほかにもいろいろと突っ込みどころ満載なので、そういう意味では面白い映画だった。ただ1000円は高い。300円くらいでちょうどよい。それも真夏の猛暑日に2時間ほど涼しい場所で休むことができる、という場合に限るんだけども。