選挙。市長選につづきまたしても投票のはがきが届いていない。返送されたはがきの中にもない。

発想はしたがちゃんと送り届けられてない(いつぞやのバイトによる年賀状焼却事件のように)。

あるいはちゃんと届けられたが留守にしている間ポストから抜き取られた(ま、組織票にたよってて投票率が上がると困る連中が)。独り者ばかりのアパートなのは見え見えなのではがきなきゃいかなくなりそうな人が多そうだし。

ふう、やれやれだぜ。

とはいえ、まったく怒っていたりしないのであった。昨日からいままで全く寝ていない。なんというか、横になって眼はつぶるんだけど眠れない。ウトウトする瞬間さえも全くないという完璧な覚醒状態。えーと、おれ白い粉とかやってないんだけど。昨日頭痛薬2錠飲んだだけ。覚醒剤なしでずーっと頭すっきり状態。しょうがないので本を読んだりもしたけど、私は元気でした。

で、今日も明るくなってそこそこ経ってからヤニワニ気が付いた。なんというか、なにも感じていないのだった。ヨロコビはもちろんカナシサもサビシサもない。キモチイイもキモチワルいもない。驚くべきことにこれまでどうしても抜くことができなかったイカリもすっかり消えていたのだった。

あのね、わたくし、様々な感情を亡くしてきたのか切り離してきたのか知らないけれど“怒り”だけは決して、それはもう幼少の砌より欠かしたことはなかったのに、それがない。起きてみたら(寝てないけど)虫になっていた、と同じかそれ以上の驚くべきできごとなんである。

が、しかし。“驚くべきこと”、という認識はあるものの実は驚いてもいないのだった。なんてことだ、わたくしはオドロキさえ失っていたのである。で、ここまで劇的な自身の変化あるいは異常となればオドロキはもちろん恐怖を感じるものである(以前書いた記憶があるけれど、体と思考が完全に分離したことがあって体が勝手に車を暴走させた。そのときは意識はこれ以上ない位恐怖していた)。が、お察しの通りわたくしはキョウフも失っていた(食べると味はするし色は見える。感情だけない。感情を司る領域になにか起こってるのかもしれん)。

むう。すっからかんなのだ。ガランドウなのだ。古い神社にある巨木で、雷が落ちて見た目はすごく立派な神木なのに中はからっぽ、というのが爺ちゃんところにあったけれど、あんな感じ。頭は依然すっきりしていて、ナチュラルハイにもなっていない。明らかにおかしい。

選挙いったあと、ご近所のおっさんがやっているバンドがライブをやる、というので誘われていたバーにおばさまたちと出かける。数組のオッサンバンドたちがそれなりに頑張って練習してそれなりな演奏を披露しているのを聞いていたんだけど、理解はできても何も感じない。んー、これ以上ないというほど立派なガランドウを抱える身なのに全く響かんとは、おっさんどもの修行が足りんのか。

ふう。唯一といっていい強敵&ドライビングフォースであった怒りを失くしたわたくしはどうなるのだろう。というかとにかく寝ないといけないんだけど、明日仕事あるし。むう。

図らずも一線を越えたのかもしれないな。ジョジョー!俺は人間をやめるぞォォオオオオオーーー!みたいな。だって、理性は残ってるのに感情全般すっからかんなんだよ? チェスタートンのあれだ、「狂人とは理性以外のあらゆる物を失った人である」だ。

ま、さなぎから羽化したって言えば美しくまとまるか。

寝ないと。ほんと眠くならないの。お酒飲んでもダメみたい。