ペイルライダー 【Pale Rider】

これを見た。


ペイルライダー [DVD]

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1985年の映画。クリント・イーストウッド55歳。


川の水の半分を引きこみ、高い水圧の放水で一日当たり20トンの土砂を崩しつつ金を採掘しているお金持ちが悪役で、町を牛耳っている。その悪党の鉱区に囲まれた谷にいる、手掘りで細々と砂金を取っている20人ほどの集団が邪魔でしょうがない悪党は、町へ買い物に出てくるたびに手下を使って彼らに殴るけるの嫌がらせを続けて、あと一歩で追い出せそうなところまで痛め付けていた。


そんなある日、いつものように4,5人の手下が手掘り集団のリーダを痛め付けているところへクリント登場。あっというまにみんなを叩きのめす。リーダは彼をお客として自分の家へ連れて帰る。ということで用心棒役が決定する。


物語の冒頭に、馬に乗った15名ほどの集団が谷を襲うシーンがある。飼い犬を殺された少女が犬を埋葬し、神様に愚痴をこぼし、なんとかしてほしい、と言って切り替わった画面に白い馬に乗ったクリント・イーストウッドが映る。めっぽう喧嘩に強くて背中には5,6発ほどの弾痕があるにもかかわらず、コートを脱いだ彼の首には牧師のカラーがつけている。名実ともに神の代理人という分かりやすい映画で、しかも谷のリーダと一緒に暮らしている母娘(ヒロインにあたる。というか他に女性が出てこない)二人から惚れられるという有様。まったくもって好き放題な映画。


しかも悪党が谷の連中を追い出すために雇った無法者の保安官とその6人の助手とは因縁の中(というか背中の弾痕は彼らにつけられたと思われる)らしい。もちろん綺麗にお掃除してくれる。文字通り一掃。


面白いのは彼らが並んで歩くシーンでは必ず軍隊調のドラムを使った行進曲が流れるところ(『グラン・トリノ』でも爺がイライラすると必ずベタな音楽が流れたというので、気にしていたから気づいたのかも)。もうなにからなにまでベタベタ。


それでもそこそこ見ることができてしまう不思議。なんなんだろう。傑作には見えない。でも駄作にも見えない。かといって佳作でもない。なんだよこれ、クリントおじちゃん。


若いクリス・ペンが凄く細く、そういえば『フットルース』では頑張って踊っていたなぁ、あれくらいの体型でいればまだまだいろんな映画に出てただろうになぁ、などと思った。ちょっと悲しい。