告発のとき 【In the Valley of Elah】 stay safe, son
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- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2009/01/07
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やる気のない邦題だな。ま、原題が何かと言われても分かんないんだけど、もうちっとなんとかならんかったか。Valley of Elahというのはゴリアテとダビデが戦った場所らしい。
全編地味なのはいいけれど、ちょっとやり過ぎなところが目につく。やり過ぎというか上手く編集してあれば目につかないまま見る者に効果を挙げることができるのかもしれない。ところどころタイミングが悪く感じた。
ということでトミー・リー・ジョーンズの芝居で持っている気がした。スーザン・サランドンやフランシス・フィッシャー(おっぱい!おっぱい!)もよかったけれど殆ど出番がない。
全体的にミステリーというか謎解きのような雰囲気を出しては居るけれど、これは反戦(おもにイラク戦争)がテーマであることがはっきりしている。構図に無理させたり、切り替えるタイミングを半テンポ遅らせてまであるものを見せようとしているので、はっきりさせ過ぎている、と言ってもいいかも。
メインの物語はもちろんサブの物語も、人間性を傷つけられた帰還兵が焦点。でも主役のトミー・リー・ジョーンズだってベトナム帰還兵(モーテルのベッドメイクや靴の磨き方など、今だに軍隊式の行動をとる)なのに、彼だけは壊れている様子がない。昔の戦争は大丈夫だったけど、ブッシュの起こした戦争は違うということなんだろうか(なぜか警察署に星条旗を背景にした大統領の肖像写真がある)。
でもまあ、悪くはない。路上にどのような障害物があろうと、決して車を止めてはいけないという命令が、実際どのような事態を引き起こしていたのか(いるのか)という点を見せつけられただけで十分。というか最後に出てくる本物の写真でいいと思うんだけどなぁ。ポール・ハギスはあの写真を見て脚本を書いたんだろうか。脚本も監督も自分でやっているので、この映画のまずさの原因はポール・ハギスにあると言ってもいいんだろう。よい脚本だけではだめだってことがなんとなくわかった映画だった(とはいいつつ、そんな悪くないよ!)。