ジェシー・ジェームズの暗殺 【The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford】
口直し、というわけでは無かったけれどもこれを見た。
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2008/07/09
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長い。160分あるらしい。肝心の暗殺以降が結構長く、ジェシーを撃った直後、あるいは電報の場面で終わらせていればいいのに、などと思いながら後日談を見ていたけれど、結局これはこの長さでよかったと思った。
ブラッド・ピットのジェシーが良かった。仲間からひどく恐れられている一方、彼に気に入られているというのが仲間内で自慢になるような存在。機嫌がいいかと思った次の瞬間には殺されているかもしれないという恐怖。つまり、畏れられているんだけども、実際に彼が残酷な行為を行っている場面はなく、ただ強盗や殺人の件数だけがナレーションで示される。しかし、周りの仲間、彼らも立派な悪党だけども、彼らが恐れ慄く様子を持ってジェシーの恐ろしさを描写していて、それにうまく乗っかる形で、じぃと黙ったまま相手を見つめるブラッド・ピットがすごく怖い。これはついこの前見た、というか昨日書いた『真昼の決闘』と同じだけど、こちらの方がずっと怖い。
暗殺した側のロバート(ボブ)・フォードの表情もかなり気持ち悪く、見る者を不快にさせる。ボブの、お調子者の兄としてサム・ロックウェルが居るのがとても効いている。
画面はとてもきれい。世界の不穏な、というか荒涼とした雰囲気は『ロード・トゥ・パーディション』に似ている。あまり流れないけれども、音楽は『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』に似ている(あそこまできつくはないけど)。
かなり良かった。別にひとつ前に見たのが酷かったからというわけではない。これは面白い。