大蟻食、円高でウハウハする

さすが、と言うべきでしょう、この啖呵。


なんとなくざまみろな気分である。恐慌? 知るか。




威勢がよくていいのですが。


ニュースに影響されているのだとは思うんですが、個人的にはですね、今のこの空気がですね、実は『バーチウッド』のあの飢饉の描写と重なって見えるのですよ。ひょっとしたら凄いことになるんじゃないかなと、不安と期待に胸を膨らませているのです。


ミノタウロス』のとき、西のほうのラジオでなんたらかんたらという話があったけど、あれも似たようなものかも。大きな歴史的な転換も、始まったころは実はそれほど劇的な変化ではなかったと。


『バーチウッド』を読み終わってだいぶ時間がたった今思い返すと、血族のドロドロよりも飢饉によって世界が崩れていく様子、崩壊した後の様子が圧倒的なのです、自分の記憶のなかでは。その圧倒的な世界の動きの中で、それに比べるとつまんないちまちました血縁のドロドロから、やっぱり逃げ切れない当事者。


なんか大きな嵐の中で、逃げなきゃいけないのに決闘だ!といってるシチュエーションってどっかで見たことある気がするんだけど、なんだったかな。



そうそう。本屋いったのでチラ見してきたら、「平素、私はとてもひと当たりがいいのです」と言うところで吹き出してしまいました。


いえ、本当にひと当たりがいいし、それどころかお優しいのですが、文章読んだだけで想像している人には、冗談にしか聞こえないんだろうなぁと思いました。かくいうわたくしメモ、知っていながらなお以前に抱いていた印象(経験的読者が想像する経験的作者としての佐藤亜紀像というのかな?)の所為で吹き出したくらいですし。