曇

朝、少し遅れ気味で家を出た。なんかおかしい。足もとがおかしい。

丸くて白い跡がいっぱい。よーく見るとどうやら鳥のフンらしい。なぜ？Why？10個はあるぞこれ。

これが犬や猫やヒトのものなら嫌がらせだと思うんだけど鳥だからな。しかしどう見ても不自然だ。両隣にはそんなものない。ちょうどうちのドアの前だけだ。上を見ても特にとまりやすい枝や電線があるわけでもない。微妙に腹立たしく、気持ち悪い朝だった。

そして一日、冴えない仕事して、ぐったりした帰りみち。乗り換えのためにホームで電車を待っていて気づいた。携帯電話を鞄に入れっぱなしにしていた。電車やバスの中では電源を切っている。ということは今日一日中電源を切っていたということになる。なんてこった。あわててチャックを開けて携帯電話を取り出した。そのとき。

俺の前に一人だけ立っていた女子高生が動いた。地面に置いていた取っ手つきの半透明のクリアケースを取り上げ、両手でお尻の所へ持ってきた。明らかに不自然な姿勢だ。

むむ。むむむむむ！それはなにか？おれがスカートの中を撮影するとでもいうのかっ！し、し、し、しつれひんあ！

気分が悪い。たしかにかわいらしい女の子ではあった。静かでこのあたりでは珍しいような清楚な感じのお嬢さん。だがな、おれはそんなことはせん。と思うけどやっぱりそこはこれくらい用心したほうがいいんだろうなと思い怒りを鎮めた。でもやっぱり気分が悪い。碌でもない一日だ。

そんなことまでされたのに、チェックしたけどなーんにも、メールも留守電も不在着信もなかった。おい。一日放置でこれか…