ダークナイト【The Dark Knight】

こっちも見てきた。当然ネタばれあります。

ダークナイト

…かなり良かった。ただ終盤、微妙にバランスが悪いなと思った。すぐに気がついた。ヒース・レジャーが死んじゃったからだ。

たぶんそれが理由。良いとは聞いていたけど確かにヒース・レジャーのジョーカーは良かった。あの笑い、目つき、猫背、しゃべり方、舌。夜の高層ビルを背景に、PCの窓から顔を出したシーンは素晴らしく美しかった。

続編が作られるとしても、あのジョーカーがもう見られないと思うと、腹立たしい。悔しい。あったはずの傑作シリーズ、ほとんど確信が持てる、が見られないというのは、堪えるな。

マスクを外すことを要求されたバットマンvs顔を白く塗りたくったジョーカー。二人は実は似ている。鏡像のように。面白いのは二人揃って闇の中にいるところ（ジョーカーは光の中かな。光の中にいる闇はつまり狂人でしょう。それだけで僕は怖い）。光の中にいたもう一人は顔を二つに裂かれてしまった。表皮の下にあるおぞましい、だけど誰もが持っているリアル。

そうだな、こいつこそ“顔”の映画だ。裏と表、光と影、マスクと素顔。

ほんっと悔しくなってきた。なんだよ、これは。見ている時からヒース・レジャーのことは頭にあった。映画みるには余計だ。正直に言うなら、静かで無力感の抜けないゴードンを見ながら、ゲイリー・オールドマンが切れたらジョーカーと同じくらいヤバいんだゼ！きっと…なんてこともちらっと思いました。そういう気が散る点もあったけど、それでも始終、髪をひっつかまれ、ぐっと引っ張られて画面に顔を押し付けられているかのように見てました。

そういえば雰囲気のあった銀行の支店長があっという間に消えたのはもったいなかったなぁ。あと、マギー・ギレンホール（どうみても美しいとは思わないけど）好きなのにもう消えちゃった。これも悲しい。

そういえばpart2.笑うところが少ない（あったっけ？）映画だったな。面白かったけど。

そういえば３。あれだけ財力があれば犯罪組織と合法的に戦えるんじゃないかと思った。経済的に締め上げていくというか。あと街が変わっていた。おなじゴッサムという名前だけど。シカゴ？

そういえばⅣ．デントの変心は納得いかない。もう少し説明がほしかった。時間でもいいけど。

しかし1週間に映画4本は最高記録だ。8月2日にしてすでに打ち止めだ。やっちまった。ジョディー・フォスターのとか、アンジェリーナ・ジョリーのとか、スピルバーグのイーグル・アイとか見たいな。万城目役が石橋蓮司というのを見て20世紀少年もちょっと見たくなったし。アイアンマンはビデオでいいけど。だってねぇ、ロバート・ダウニーJrが真面目なヒーローとかねーよ！そういう意味では『スキャナー・ダークリー』のダウニーJrはぴったしだった。