ようやく、読み終わりました(ネタばれあり桝)。

よーやっと、昨日の夜中2時過ぎだったか3時前っだったかに読み終わった。最終盤の内容が凄かったので読むほうとしてもラストスパートをかけざるを得なかった。おかげで今日の仕事はなんだかぐずぐずでした。ボス、すまんかった。


えーっと、内容ですけど、よくわからんかった。これは読むのに時間がかかりすぎた所為(かなり効いてるけど)だけじゃない気がする。


まず、時間の流れがおかしい。たぶんおかしい。…ような気がする。スピードが全然違う。あと、サイラスたちがかなり初期の部分と最後のあたりの2回出てくるんだけど、そこがいまいちわかってない。これは読むのに時間がかかった所為かも。この本のキーワードは間違いなく「谺」なんだけど、サイラスたちが2度出てくるのも「谺」なのかなぁ。


つぎ、人体自然発火の説明がねーよ。「爆発する棺桶」、爆発した棺桶、が出てきたのでそれなりに期待したのに。というかあれが解答だったんだろうか。かわいそうなおばあちゃん。わざわざ東屋に通い詰めていたのは単に居心地がよかっただけじゃないんだろうか。むずかしすぎる、いろいろ考えられる、あたまがぐるぐる。


最後、にはいわゆる種あかしがあるんだけど、これについてはなんとなくわかってた。少なくともマーサとマイケルに関しては登場してすぐくらいにわかっていた。わかっていた、は言い過ぎか。彼らとの関係について、あたりは付いていた。ただガブリエル自身が、というのは頭になかった。かわいそうなベアトリス。どうやって受け入れることになったんだろう。どうだったとしても、母さんが、そしてバーチウッドが壊れるのは時間の問題だったということか。


いまのところ、細かいところはどうでもいいくらい、飢饉にまつわるあれこれのほうが強烈に頭に残っていて、なので自然発火とかどうでよくて、ただ登場する人間どもに頭のなかを捏ねくりまわされているようで、とても頭が重い。俺の脳みそはモチか。はたまたトルコアイスか。そんくらいぐにょーーん、ぼってん、ばちん!ってなってます。


冒頭からキチガイじみた描写が多かったけれど、結局最後まで、延々と続いた。時間の流れについても語り手がキチガイってのが原因にあるかも。ほんとのことを言うと、これ(ぎこちない表現、いちいち気に障る感じ)が翻訳のせいなのか、原文からしてそうなのか、が気になってる。少なくとも両者のあいだで程度くらいは違うかもしれないと。なのでちょっと英語のほうも読んでみたい。


彼女は膝をついて髪を掻き毟り、もうずっと昔、黒すぐりの茂みで聞いた時と同じ、あの耳障りな声でいつまでも笑っていた。私は、残骸になった死体を死体を見下ろした。

『バーチウッド』p222

(強調は引用者)



ということで、この部分。誤植だと思うんだけど、「いや、これでいいんだ」って言われても「そ、そうかも」と思ってしまうようなキチガイっぷり。ひょっとしたらp107のおかしな文章もあれでいいのかもしれないとか。


で、大蟻食先生の訳者あとがきを読むと、もっかい一部を読み返すとおもしろいって書いてあってかるく絶望(ああ、この程度で絶望とかいってるとブローデルの『地中海』なんていっしょう無理かも知れんな)。読み返すってこと自体「谺」で、なんかね、この「谺」って言葉は何度もでてきたし、間違いなくキーワードなんだけども、もう一個「プリズム」もかなりくっきりと脳みそに刻まれてたりする。これはそんなに出てこない。というかひょっとしたら一回こっきりだったかもしれない。でも、「プリズム」を使った描写も、なんだかヒントのような気がする。


ということで、ちょっと、今までにないひどい状態。読み終わった気がしない。ぜんぜん。スタート地点から後ずさった感じすらする。マイナスからのスタート。うひゃぁ。ひゃひゃひゃひゃひゃ。


というわけで、もっすご眠いところ、自分でもキチガイっぽく「谺」っぽく書いてみようとしましたが、どうかなぁ。微妙にずらしつつ繰り返し、音を重ねる、意味も重ねる、そういうの面白いかも。普通の日記でやってみるか。