ネタばれすんぞ。
『ラ・イストリア』読み終わった。なんといえばいいか、ともかく予想外な展開だった。
え?っていうエンディング。悪くはない。解説を読むとどうやらこのエンディング部分は『グアルディア』につながっているらしい。それはそれでいい。
え?というのはどちらかというとアロンソの扱いのほうで、アロンソ視点とクラウディオ視点、そして神の視点、この三つの語り手のうちもっとも分かりやすくて読んでいて自分と同化してしまうのはどう考えてもアロンソ。そのアロンソが、家族のためにって突っ張って生きてきたアロンソがマリベルの代わりのようなカロリーヌが登場した所為なのか、年齢に相応しい子供らしさ(というか弱み)をちゃんと見せるところで終わってる。いちおうのハッピーエンドなんだけど、ちっと物足りない。
終わってみて考えるとほんとの主役はフアニートだったのかもしれない(世界そのもののような気もするけれど)。少年の恋か。それを見せるためにアロンソとクラウディオが用意されたんだろうか?
それにしてはフアニートの背景がほとんど書かれていない。アロンソとクラウディオについては相当詳しく書かれているのに。
ということはやっぱり世界そのものが主役だったんだろうか。それもちがうような気がするな。そもそも主役、という考え方そのものが間違ってるんだろうか。群像劇?ちゃうなぁ。
だれか教えてください。
しかし本を読んでいて久しぶりに加速した。ここ数年本を読むことじたい重くなってたんだけど、この本では昔よんでいたころのように終盤になってぐおーって加速した。いいね、こういうの。
でもなぁ、こないだ本屋いったら文庫の棚からハヤカワが無くなってたんだよ。やべぇって思ったよ。どうにもならんのだろうかこれ。ちくまも減ってた。phpとか知的生き方文庫とかかなり恥ずかしい連中が幅とってるのを見て泣きそうになったよ。