エミリー・ローズ 【The Exorcism of Emily Rose】

これを見た。




アホだ。ぼけっとしていて借りてしまった。本当はこれを借りたつもりだった。
バニー・レークは行方不明 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

バニー・レークは行方不明 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)




これを映画化した『バニー・レークは行方不明(Bunny Lake Is Missing (1965))』の話をウェイン町山がしていたので頭に残っていた。


でもさぁ、エミリー・ローズ『バニー・レーク』ってさ、『**ー・*ー*』みたいな長音の部分しかあってないし。どんだけモウロクしてんだよ、俺。と。愕然としましたよ。ま、ジャケットもなんとなくそれっぽかったし、許してください。


ということで、冒頭からいきなり間違っていたことに激しく落ち込んだにも関わらず、それなりに見通してしまいました。エクソシズム。憑き物落とし。そういうお話ですが、元ネタが実話らしいということで、そういう縛りもあってか、超自然現象が全面的に押し出されるわけではなく、科学的に、あるいは理性的な解釈をすればこういうことじゃないですかね?見たいな再現映像も、検察側の主張として示されており、それはそれで微妙に説得力があったりして、面白かった。


まぁどんなに頑張ってもキリスト教で解釈するのは無理があるので、僕としては病気であったというほうに傾いておりますが、それはそれで恐ろしい。ああいった病気は本人にとってはそれこそ地獄だろうと。自分の脳が信じられない状態というのはたいそう恐ろしいものだろうと、しかも肉体的な苦痛が伴なうのであればなお更です。


で、ついこの前見た夢を思い出しました。仕事からの帰り道。真っ暗に日が落ちた住宅街をトボトボと歩いていると、自宅のある通りに入った途端、左右にならんだ一戸建て住宅の塀や外壁、さらには道のど真ん中の中空に行く手を塞ぐかのような色鮮やかなサインが目に入る。良く見るとそれはプロジェクターによって投射されたような光で、アメリカンコミックで使われているような派手な形をしたローマ字が一文字ひともじバラバラの色をして縦方向に並んでいる。しかも縁だけ別の色でくっきり縁取られていて、それもまたあネオンサインのように光っている。


あまりのどぎつさに、ひるんだけれど、それらが一体どこから投射されているのかまったく分からず、どうみてもその場に直に浮かび上がっているようにしか見えないことに気付いてさらに動揺した僕は、行く手を阻むかのように浮かんでいた文字を突っ切り、自宅に逃げ込む。


これは悪い夢を見ているのに違いない、であれば一晩眠れば朝起きて元通りになっているかもしれないと思い、そのまま布団にもぐりこもうとする。が、窓の外からまた別のサインが光っているのが見えるので、恐ろしくなった僕はカーテンを乱暴に閉める。が、カーテン越しにもうっすらと光が見える。そこで初めてこんなことが起こるはずがないので、これは自分の脳がおかしくなったのだろうと結論を出す。ひょっとすると自分で気付かないうちに気が狂っていたのかもしれない。これが噂に聞く幻覚か。なんとクッキリとしているのだろう。それで居て非現実感も強烈に感じられる。ローマ字なのに縦書きであるし、一文字ごとにフォントデザインや色が違うし、なんと言っても色が本体部分も縁取り部分もヴィヴィッドだし。


ここまではっきりと非現実的な映像を認識しているのだから幻聴だって聞こえるかもしれないと思った瞬間、どこからともなくBGMが流れてきた。それを聞いて僕は自分の気が狂ったことに気がついた。だってあまりにもタイミングが良すぎるし。ともかく寝よう。布団を頭から被り、耳を塞いで無理やり眠ろうとしたところで目が覚めた。


僕は本当に気が狂ってもそれを自覚してしまいそうで、それはそれで恐ろしい。