晴れ


ちょっと寒かった。

お誘いを受けたので仕事が終わった後で晩御飯へのこのこと出かけてきました。

ケース1

妙齢の女性(しかもお二人、しかも揃ってなかなか魅力的)から晩御飯のお誘いを受けて恐る恐る行ってきたのですが、…あれは酷かった。

メモに書かれていたお店に時間通りに到着すると、お二人は既に着席。それどころかテーブルの上には料理がいくつか。恐る恐る近づいた私に気がついた彼女たちは驚いたような顔をし、次いでニヤニヤ笑ながら「え?ほんとに来ちゃったよ、え?え?」とのたもうた。そして二人して爆笑。

僕は思わず「え?とはこっちの台詞だ馬鹿やろう、呼んだのお前だろーが!」と怒鳴りつけた

かった…。気持ちだけ怒鳴った。実際は顔が赤くなってぼうっと突っ立ったままモジモジしただけ。それを見て「来たならしょうがない、ここ座んな」見たいな事を言われて、さらにモジモジしながら言われたとおり席に着いた。そこから二人にあんな冗談もわからんとはアホだ馬鹿だKYだと弄られまくり、誰かいい男紹介しろと詰め寄られたけどいいのは大体売れて残っているのは変質的なヤツだけですと正直に答えたらもうオマエシネとか言われ、恥ずかしいやら腹立たしいやら、勢いだけでパカパカ杯を空け続け、挙句の果てにトイレで吐き通し。あまりに苦しそうだった所為か、流石に悪いことをしたと思ったのか、二人して少し優しくなった。と思ったら支払い俺だった…

血の気が引いたまま店を出て散会。どうやって帰宅したのか覚えていない。

馬鹿ッ、馬鹿ッ、俺の馬鹿ッ、もうシニタイ。

ケース2

妙齢の女性(しかもお二人、しかも揃ってなかなか魅力的)から晩御飯のお誘いを受けて恐る恐る行ってきたんだが、…あれは酷かった。

三人揃ってお店に到着。それぞれ適当に注文し、とりあえずビールなまちゅうで乾杯して開会。二人の関係がさっぱり分からなかったけれど、話を聞いてみるとどうやらお友達だった様子。まぁそりゃそうだ。ということで、場の雰囲気としてはいつもの二人の晩御飯にくっ付いてきた豆柴みたいな俺、といった感じ。で、それなりに和やかに世間話などしつつ、いえ独り身でございます、だの、いえ興味がないわけではありません、だの、それは秘密です、だのといろいろと白状させられそれなりにアルコールの摂取量も増え、テンションも上がってきたところで、やにわに本題がでた。

…嫌な予感はしてたんだ。予想通り、どんぴしゃ。ヒジョーに面倒臭い仕事を頼まれてしまった。あの話の流れからそこへ行くか普通?というキラーパス。うめぇ。断れん。既にだいぶ酔ってたし。全日本(なんのだかは不問)の強力ツートップのような凄い連携プレーだった。女こえぇ。お陰でものっすご遅れる、本業。先週遅れてるぞって釘さされたばっかりなのに。どうするよ。ほんと。あほか俺。もてるわけねーのに。馬鹿。AHOKA! …もう二度と行かない。

ケース3

妙齢の女性(しかもお二人、しかも揃ってなかなか魅力的)から晩御飯のお誘いを受けて恐る恐る行ってきたのだが、…あれは酷かった。

一通り飲み、自己紹介っぽいことを終え、世間話なんかも片付けたそんな時間帯。さあどんと来なさい!と内心構えましたよ、全日本(なんのだかは不明)のキーパーのごとく両腕をいっぱい広げて。

ぐごごごごごごごごぉおおおおおおお!!!

キター!!!

愚痴の嵐。まさに嵐。比喩ではない。しかもステレオ。

どうも愚痴りやすい顔しているらしい。昔っからそうだった。そういえば。

別に特別なことはしてない。ちょっと頷くとか、相槌うつだけで、殆どなにも言わない。というか言えないから黙ってるだけなんだけど。

小学生から親からおばさんからばあさんからあらゆる年代の愚痴を聞き続けてきた。全部女ばっかりだったなぁそういや。あのね、愚痴を言ったらスッキリして気持ちいいのかもしれないけどさ、中途半端に事情(そりゃ怒ったり苦しかったりするだけの何かはありますよ)を知ってしまって、しかしその中途半端さゆえに結局何も言えないこっちの身にもなってくれませんかね。そちらがスッキリしたぶんこっちがウンザリするんですよ。愚痴には総量保存の法則があるんですよ。頭の中身がどーんと重くなるんですよ。

しかもステレオ。微妙にシンクロしつつ、微妙にズレてる。1:2で向き合う座席になったのがいけなかった。というかあちらが席順決めたんだった。最初からそういうつもりだったんだなぁ。チキショー!思いっきりスッキリした晴れやかなお顔の二人をうっすーい作り笑いでお見送りした。人の悩みなのになんで俺の胃が痛いの?聞き流せればいいのにできないんだなぁ。話しやすい愚痴りやすい顔に見えるかも知れませんが、本当は受け付けない身体なんです。勘弁してください。見た目で判断しないで!

ケース4

妙齢の女性(しかもお二人、しかも揃ってなかなか魅力的)から晩御飯のお誘いを受けて恐る恐る行ってきましたが、…あれはある意味酷かった。

わたくしを共有したいだって。はぁ?って思わず声に出ましたもん。

二人は実は地元の幼なじみで、仲のよい親友でした。そしてお二人揃ってこのようなへなちょこを気に入ってくださったのですが、ねぇ。共有って。いくら恥知らずの私とはいえ、ちょっとねぇ。それってどういう感じなんですか?と聞いてしまいました。すると、基本的に月・水・金が私で、火・木・土が私。日曜は休み。一応分けるけど無理することはなくて、都合がつけばという程度のことらしい。ふぇえ。大分飲んでいたし冗談かと思っていたら本気だった。そうやって上手く行けばそのうち実質上の一夫多妻(しかもそれぞれ子供1ヶつき)で行けばいいとまでおっしゃった(しかもニコニコしながら)。ふぇぇ。

返事は月末でいいということだけど、ふえぇ。迷うなぁ。迷うなぁ。迷うなぁ。

まとめ

もう21世紀だし、女男女でも嬲るって読んでいいと思いました。