リバティーン 【The Libertine】 Prick or Brain

これを見た。

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いやぁ、偶然とはおそろしいものでございます。昨日『咎』を読んだと書きましたが、この映画でも大小さまざまなディルドが大活躍でございました。それはもう田縣神社の豊年祭武蔵美の男神輿にも劣らぬ勢いでございました。それもそのはず、それは国王陛下チャールズ2世(国王やってる役者がジョン・マルコビッチに似てるなぁと思っていたら本人だった。太りすぎだろ)へのお披露目それも大事な大事なフランス大使を招いた外交の一環としての舞台で披露されたのでございます。ご丁寧に観客の皆様にも、それも男女を問わず(もちろん国王とフランス大使にも)小型の実用的なディルドが配られたのございます。イタリア製、ということで素晴らしい出来であるとの評価もちらほら。


まぁ、なんというか、前半は眠くてしょうがなかったんだけども、途中で大小さまざまなち○こが出てきた以上どうしたって目が覚めないわけが無く、そのあたりから調子が出てきました。ほんとは歴史的な背景だとか文化的な背景などを知っていればかなり面白いのかも痴れませんが、あいにく西洋史はさっぱりでございまして、それでもそのような雰囲気は感じているわけでちっとばかし勿体無いなぁと思いました。勉強しとけばよかったかなと。


お話がお話だけに、楽しいとは行きませんがそれなりに面白かったです。『エディット・ピアフ』を見たときには伝記映画は難しいと思ったのですが、こいつは結構面白かった。古い話だし、脚色もしやすかったんだろうけど、そもそもの人生が面白いのでしょう。生きている当時に舞台化されているくらいだし。


しかし、個人的な見所はというと。これほどまでに汚らしいジョニー・デップを見たのは初めて!というほど酷い顔が見られたところです。前半はその名を知らぬものはいないといったふうなジゴロ伯爵(ほんものの伯爵ですよ)で、いつもどおりの二枚目なジョニーだったのが、王に追われた逃亡生活の場面に入った途端、まるでホセ・デ・リベーラの『えび足の少年』のような顔になっていておどろいたのですが、そこからさらに一段と酷いお顔になってしまうのです。そりゃぁもうPrick or Brainな病気なので仕方ないといえば仕方ないのですが、その汚さがもう、臭ってきそうなほど。心身ともに病んでいる様子が素晴らしい。やっぱジョニー・デップ好きだわ。


ということでこの映画、世の淑女の皆様におかれましてはジョニー・デップを舐めるように鑑賞していただきたく存じます。特に、最近辛いモノ食べ過ぎた淑女や、無理して体調を崩された不振・不審な淑女、あるいはこのようなツマラン所にほぼ毎日、日付が変わる前後においで下さいますくるくる踊り子嬢には是非。(病んでいる皆様)元気が出ること請け合いでございます。です。