バタフライ・エフェクト 【The Butterfly Effect】

先日見た『ジャケット』の評でこれの足元にも及ばないといったものを見かけたので借りてみた。





確かに面白かったけど、いうほどのものでもないな。やっぱり『ジャケット』のほうが暗くて好き。


時折記憶がぶっ飛んでしまう癖のある少年エヴァン(アシュトン・カッチャー)は記憶を失くしたときのために日記を付け続けてきたが、大学生になったとき記憶を失くす前後の日記を読むと書かれた当時にタイムスリップすることに気付く。現在の記憶を持ったままタイムスリップした先で、過去とは違う選択・言動を採ることで未来を変えてしまう。良い方向へ変えようとするがどうしても不幸が付きまとうため、幾度もタイムスリップを繰り返すというお話。タイムスリップして過去を変え、現在まで戻ってくると必ず鼻血を伴なう激しい頭痛を起こす。変わってしまった過去を起点にして記憶の再構成が行なわれるらしいが、そのたびに脳の表面が死んでいく。


ということで、最後のタイムスリップ前には運動機能が残っているのが不思議とまで言われる状態になる。で、最後のスリップ。幼なじみの女の子を脅しつけて自分の人生から引き離すことに成功。で、ここで死ぬと思っていたら健康そのものだった。なにかうまい理由があったっけ?


ただ。幼なじみの兄の暴力性はよかった。まさに小さな悪魔。映画館で妹がキスをしているのを目撃して切れたときは明らかに自分より大きな男をぼっこぼこにしているところや、飼い犬を麻袋に詰めてオイルをぶっ掛け焼き殺そうとするあたりの執念の強さには目を見張った。いい。あれはいい。


あと、タイムスリップするたびに境遇が大きく変わる女の子ケイリー(エイミー・スマート)の変貌がすごい。女ってこえぇ。