見ました。

ディレクターズカット ワイルドバンチ 特別版 [DVD]

ディレクターズカット ワイルドバンチ 特別版 [DVD]




これは、酷い。どう見ても半分しかない。途切れている。2枚組みじゃないのか?と悩むこと15分。後半はDVDの裏面にあった。こんなの初めてだ。


映画の内容はというと、ま、古いし微妙な間のズレや画面の切り替えのタイミングなどがいまいち(なんというか、夢路いとし喜味こいし)なところはあった。とは言いながら、冒頭からすっかり騙されてというか俺が一方的に引っ掛かっており、鉄道の雇った賞金稼ぎのほうが強盗だと思い込んでいたくらいで、つまりのっけから向こうの思う壺に頭から突っ込んでいた状態。


しかし出て来る連中がことごとく汚い。ろくでなしばかり。もうほんと。逃げるほうも追いかけるほうもボスはそこそこマシなんであるが、やっぱりろくでなし。そいつらが始終近距離にいるもんだから、味方同士なのにいつ殺し合いが始まってもおかしくない雰囲気が続く。とくに兄弟。ま、そういう関係にもかかわらず、彼らは酒を飲み女を買い(この期に及んでちゃんと金払ってねェ)、直接語り合うことのないまま最後の、殆ど自殺としか思えない銃撃戦へ突入するあたり(少々行進がしつこいか)、なんとも男臭い。変に臭い。このへんの行動指針というか倫理観がやっぱりどうしようもなくずれている。そこが臭う。


で、最後にクタバリ損ないの爺(あほな孫が死んでるんだが)が生き残り、生き残っただけではなくさらにろくでなし稼業を続けるあたりがまた、これって救いなのか?と一瞬迷うんだけどやっぱり気持ちは微妙に軽くなるというズレ。で〆られる。


老いぼれたボスがサクッと馬に乗れずに、手下から反抗されるジャッカルの集団というパターンは、緊張感がある(落っこちたところでは『許されざる者』を思い出したんだけど)。


あと、なんだかんだ言っても最後まで忠実な副官てのも分かっちゃいるけど悪くない。『ザ・ロック』とか。