今日の帰りの電車。両側を若い女性に挟まれました。珍しくにらまれませんでした。というのも2人とも文庫本を読んでいたからです。


左側の髪をうなじの辺りでギュッと纏めただけの、めがねをかけた女性は『ブレイブストーリー』、右側のジーンズのスカートを穿いた女性は『重力ピエロ』というなかなかの組み合わせでした。前にとなりの大人が赤川次郎を読んでいたときは他人事なのに凹んだな。


で、はさまれた僕はこれを読んでいました。

バッテリー (角川文庫)

バッテリー (角川文庫)

なんかベストセラーというし、著者の名前があさのあつこだというので避けてたんですけど、お盆に図書カードなるものをパチッて来たので買いました。当たりでした。


とは言っても、実はまだ半分も読んでいないんですけど、それでも言います。あたり。


なんつーか、巧という中学入学直前の少年が主人公なんですけど、コイツがこうはっきりした性格ながらどこかこうモヤモヤとしているところとか周りの人間との関係が良くないというか関係がないというあたりが妙にリアルでした。特に父親広との気まずい父子関係がほんとくさい。さらにもう一組、巧の母とその父との父娘関係も気まずい。それもなかなかほんものくさい。


あとはね、巧は天才的なピッチャーなんですけど、キャッチャーになるであろう豪という同級生のキャラクターがいい。他にも受験勉強で野球をやめたひねくれとかその昔巧の爺さんの下で甲子園に出た稲村というおっさんとかキャラの種類が豊富でしかもはっきりしている。まステレオタイプといえばそうなんだけど。


でも一番いいのは巧の弟。病弱で、なぜか一人だけ方言を操るあやしい(嘘)弟、青波(セイハ)。こりゃたまらんかわええ弟なんじゃわ。伊集院静を思い出したわ。忠来少年も小さい弟がいつも後ろをくっ付いてきて、それが鬱陶しかったり恥ずかしかったりで邪険に扱うんだけども。そういえばあれも野球少年じゃったの。


で、これはもうひとえにわたくしの不徳の致すところでありますが、このセイハ少年。声が決まっております。Ergo Proxyピノをやった矢島晶子です。いや逆だな。ピノの声だ。アレでやれ。万が一それが無理なら「鋼の錬金術師」のアルフォンス・エルリック釘宮理恵)だな。決まりだ。これ以外認めん!


っと、これってショタっていうやつか;危ねぇ。


ステレオタイプって言ったけど児童文学らしいというべきか。らしいといってはいかんのかも知れんがそこがイイ!


追記:認めんとか言ったけどこれ → NHKFM 『バッテリー』(再)(全10回)


ちょータイムリーすぎるw