ポーの一族@東京宝塚劇場

初日、行ってきました。

原作は言わずと知れた萩尾望都ポーの一族』です。といっても私はこの公演を見る前に3巻の途中まで読んだのが初めて。苦手だったのよね萩尾望都。でも面白かった。

タカラヅカですよ。ええ、聞いていた通り明日海りおのエドガーは良く似合っていて彼女の登場を待っての舞台化だったという小池修一郎のことばは本当なんだろうなと思った。もっといえば変な改変はなく原作からの変更は小池修一郎にしてはとても少なく最小限だったと言ってもいいくらいで、彼はほんとうに『ポーの一族』をやりたくて宝塚に入団したのだろうなと思った。

いちおう予習していったおかげもあってか結構はやいテンポでずんずん進んでいるところも難なく追いかけることはできたしほぼ名前しか出てこなかった「グレンスミスの日記」についても頭に入っていたので実際に舞台上で演じられているものよりももう少し広い世界として受け取ることができたと思う。ほんとうになにも知らないまま見ていたらどういう評価になったか、まで考えるのは面倒なのでパス。原作呼んだうえで見るととても上手くまとめられていたしなにより楽しかった。

ただ最後のフィナーレになるまで気が付かなかったというか勘違いしていたことがひとつある。それは娘役トップ、つまり明日海りおの相手役のことで、私はてっきりメリーベルを演じた華優希だと思っていた。しかしほんとうはシーラ役の仙名彩世だった。なんというか、華優希のほうが衣装もふくめ可愛らしいしなにより明日海りおとの絡みが多いし、二人が並んだ時の画としての収まり具合がとても良かったから。

仙名彩世はトップに就任したばかりなので無理だろうけどはやく華優希にならないかなーと思った。ごめんねー仙名さん。

もう一人のメインキャスト柚香光だけど彼女も悪くなかった。おっと思ったのは最終盤、ポーの一族となったあとの柚香の目。あの目はやばい。トートでもいいくらいの悪い目。セリフとかないけど良かったね、あれ。迫力あった。

その他印象に残ったのはキング・ポーを演じた一樹千尋で、彼女は北翔海莉退団公演『桜華に舞え -SAMURAI The FINAL-』の西郷どんを演じた美城れん水夏希『ロシアン・ブルー−魔女への鉄槌−』でスターリンのそっくりさん役者を演じた汝鳥伶とならぶ、私の記憶に強烈な印象を残した専科となった。専科の3連星かッ。


あと、2階席で見たんだけどもあのクレーンを使ったシーンは初めて見た。舞台上で上に吊り上げることはあったけれど舞台から前に、銀橋超えるくらい飛び出したのを見たのは初めて。3Dですよほんと。飛び出すトップスター明日海りおと2番手柚香光。高さも2階席あたりまであるし2階席の1列2列だと殆ど正面に見えたんじゃないかな。ちょっと怖かった(あれ事故ったら死人でるの間違いないし。どうか最後まで無事に)。

フィナーレもとても良かった。今回は芝居もフィナーレも衣装が良かったように思う。メリーベルとかとってもかわいい。そして最後の最後、シャンシャン!あのポーのイニシャルPを2頭のユニコーンが左右から挟んだ紋章をシャンシャンにしていてLEDで光が灯ってるの。すんごい欲しい!シャンシャンほしいとか初めて思ったよ!

そうだ、プロジェクターを多用した舞台装置も成功してたと思う。上手く使えば実際に物を作って入れ替えるよりずっと安価に、そしていろいろな背景を見せることができるのだなと。上手く使えば、だけどね。