レイルウェイ 運命の旅路 【The Railway Man:2013】
見た。
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2014/09/26
- メディア: DVD
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エリック・ローマクス(コリン・ファース)の自伝の映画化。泰緬鉄道建設に従事させられたイギリス軍の中尉と彼を尋問し拷問した際の日本軍の通訳、永瀬隆(真田広之)の対決。
ローマクスや彼と同じ帰還兵の様子が面白い。特にコリン・ファースのPTSDの描写、演技が素晴らしく、PTSDの恐ろしさがよく伝わってくる。その昔昭和天皇がイギリスへ行ったときにデモが起こっていたニュースを思い出したけれど、そりゃ無理もないわということがよく分かる、そういう映画。泰緬鉄道といえば『戦場にかける橋』だけど、この映画の方がずっと良くできている。戦争映画につきもののアクションはゼロなんだけど、パーシバルの降伏から始まりホロコースト時のユダヤ人と同じように貨車によって移送され、ジャングルの工事現場へ送り込まれる。通信部隊だったローマクスたちは各自隠し持っていた部品でラジオの受信機を作りBBCなどを聞いていたが日本軍にばれローマクスが尋問・拷問を受ける。
棍棒によって激しく打たれ、屋外に並べられた竹で作られた檻に入れられ、最後は水責めにあう。『ディアハンター』『ランボー』、アブグレイブ刑務所なんかで見たような光景であって既視感がある。変な話だけど日本軍の犯罪をアメリカ軍の映画やニュース経由で想像していることになる。
PTSDで苦しむコリン・ファースがタイで慰霊活動をしている真田広之に会いに行き、対決する。そこで昔尋問されたやり方そのままをやり返す。そこのやり取りが見ていてつらい。真田が「我々が・・」というとコリン・ファースが「私が、だ」と訂正する。真田が「トラジェディ」だというと「戦争犯罪だ」と訂正する。どれもこれももっともな突っ込みでグウの音も出ない。卑怯な日本人(ずいぶんマシなほうである永瀬だけど)の卑しさが滲んでいる言葉づかいがいちいち辛くさせる。
最終的に和解にたどり着くんだけど、その「和解」は当事者にしかわからないんだろうな、と思いながら自分の中にのこった嫌な気持ちをどうしようかと。