ベイマックス 【Big Hero 6:2014】

観てきた。お腹いっぱい。


すごーく良くできていた。映像がすごくきれい。すごい。すげー。


ベイマックスがお金持ちぼんぼんフレッド家の庭でロケットパンチを撃ったシーン。庭の壁をぶち抜いて、壁の向こうに生えていた植え込みに消えるんだけど、その植込みの揺れが実写レベル。見た目も動きも音も全てが実写レベル。すごい。そのすぐ後に湾近くの島に飛んでいくシーンで島全体の空撮が映るんだけど、その植生、森も本物にしか見えない出来だった。素晴らしい。


この映画の面白いところは他にももちろんある。それは他の作品、映画から沢山のイメージが集められているところ。
原題は『ビッグヒーロー6』ということで、主人公のヒロのほかに3人の大学(院?)生と大学マスコットの中の人フレッド、そして兄タダシが残したロボット、ベイマックスの6人がチームを組んだヒーローものになっていて、このヒーローものがマーベルっぽい。ただ6人のスーツの色使いなんかを見ると日本の特撮ヒーロー戦隊ものだったりする。


マーベルといったけれどそれはアベンジャーズ的なところだけではなく、たとえばヒーローの一人、車の運転が上手くホイールを脚に付けたゴーゴー・トマゴ(人間では一番活躍してた)の動きはMr.インクレディブルを思い出させるし、戦闘用スーツを身に着けたベイマックスはどことなく『アイアンマン』だし、ガレージでマイクロボットを開発している主人公のヒロはトニー・スタークその人だし、歌舞伎マスクをかぶった悪役が操るマイクロボットの波のような砂のような動きはスパイダーマン2』のドクター・オクトパスや同じくスパイダーマン3』のサンドマンそっくりだ(ついでに言っちゃうとフレッドの謎の父ちゃんは『スパイダーマン』のグリーン・ゴブリン的な隠し部屋を持ってる)。


と、ここまではピクサーとディズニー、ディズニーを介したマーベルとの関係から考えても自然な引用だと思うけれど、この『ベイマックス』が良いのはライバルであるドリームワークスからもイメージを持ってきているところ。素晴らしいものかっこいいもの面白いものならなんだって取り入れているところがすごくいい。


ドリームワークスから持ってきたイメージというのは、まず『カンフーパンダ』のポー。ヒロに空手の型のデータをアップロードされたベイマックスが試技を見せるところなんて体型と言い動きといい完全にカンフーするパンダだった。空手といいながら一部の動きはカンフーだったしね。


二つ目はやっぱりヒックとドラゴンだった。こちらはヒックとドラゴンセットの引用。ヒロがベイマックスの背中に乗って夕焼けの空を飛びまわるシーンは完全にヒックとトゥースレスそのものだった。ひとしきり飛んだ後に飛行船の上で休む二人の姿、ここで一体になれたという関係性まで完璧に、トレースしていたといってもいいくらい(そこまでした効果は?というと、ヒックのときと同じくため息が出るほど感動した自分が一番わかってる)。


電池が切れかかったベイマックスが酔っ払いに見えた。まさか数時間後に自分がああなろうとは知る由もなかったので、楽しんでみていた。あと脳波で指示を出すマイクロボットなんかは結構実在しそうだな、と思っていたらエンドクレジットで早稲田大学のロボット研究室みたいな表記があったのでこちらもきっちりリサーチされているんじゃないかと思った。どこの研究室なんだろ。