ジャージー・ボーイズ 【Jersey Boys:2014】

クリント爺ちゃん最新作。ニュージャージーのちんぴらゴロツキさえない美容師見習いの兄ちゃんたちがフォー・シーズンズを結成し空中分解し最後に殿堂入りするまでを描いたミュージカル。もとは舞台だったらしい。


フォー・シーズンズの作曲担当ボブ・ゴーディオを見つけてつれてきたのがジョー・ペシだったというので吹いた。これがとっても似ていた。ジョーイ・ルッソという役者が若き日のジョー・ペシを演じているんだけど良く似てるんだこれが。しゃべりすぎて周りから突っこまれるという『リーサル・ウェポン』のレオ・ゲッツそのまんまで、そういう人なのかパロディなのか区別つかず。


ボブ・コーディオを演じた役者がエリック・バーゲンという人なんだけどブレンダン・フレイザーアーミー・ハマーを足して2で割ったような感じ。だけど表情はビリー・クリスタルっていう不思議な雰囲気でなんか記憶に残る顔だった。


映画は『硫黄島からの手紙』『父親たちの星条旗』『インビクタス』『ヒア・アフター』『J.エドガー』なんかと共通する、何かがある。この「何か」がよく分からないんだけど淡々とした感じがすっごいクリント・イーストウッド映画っていう印が分かる映画だった。なんだろうこれ。


主役といっていいと思うんだけどメイン・ボーカルのフランキー・ヴァリが娘を失った直後に『君の瞳に恋してる Can't Take My Eyes Off You』を歌ってヒットさせるという展開が終盤の山場になっている。で、ここでグッと来るわけですどうしたって。いいんだけど、あとで調べてみると娘を失ったのが1980年、“Can't Take My Eyes Off You”は1967年だったのね。ということはここはフィクションというか脚色というか映画用のドラマだったわけです。いいんだけどね。歌の意味が変わってしまうのが少し悲しい。いや悲しい歌ではなかったということだからいいんだけど。