ゼロ・グラビティ 【Gravity:2013】

見た。


凄い。デブリがカスケードというかアバランシェを起こしてえらい事になっておった。高速で衝突するデブリ。実際はもっともっと相対速度が高い事態もありうるとは思うけど、アレくらいでもちょう恐ろしい。


中盤でジョージ・クルーニーが退場するため、女なのにライアンという名前のストーン博士(サンドラ・ブロック)の一人芝居になる。博士には4つになる娘が居たけれど事故で亡くなっている、という設定。


これが絶妙で、最小限の設定。「人間ドラマ」的なもののために用意されたのはこの設定だけ、といってもいいくらい。これもし彼女が生きていれば、なにがなんでも地球へ帰還するという動機になってしまい、それならばああいう迷いも諦めも消えてしまう。


結局ストーンには帰る理由がない、というように見えるし、本人もそういう自覚だったはずなんだけど、最後には帰る。そして大地に這いつくばって「ぐわしっ」という勢いで立つ。だからいい。


とはいえこの映画見てアルフォンソ・キュアロンに向かって「伝えたいことはなんですか?」なんてことを聞こうと思う馬鹿は皆無でしょう。というくらい映像が面白かった。ほぼそれだけ。といってもお話がとってつけたような手抜き感を感じさせたりしないし。コンパクトでよかった。確かに凄い。