ジーザス・クライスト=スーパースター

えっと、なぜか見に行ってまいりました。劇団四季、初めてかもしれない。きっとそう。


ぜんぜん知らなかったけれどこのミュージカル1971年初演なのね。映画版もあるらしいけれど見ていない。CMかなにかで小耳にはさんだ「ジーザクラィー、ジーザクラィ♪」っていう短いフレーズだけしか知らない状態で見てまいりました。


結局唯一知っていたその曲(というかサビ)はすごい脇役じゃないけれど端っこで使われた曲で、ちょっと拍子抜けなところも。逆に1曲も知らなかった『エリザベート』のほうがかえって良かったという感じになってます今のところ。まあ比較的新しいのでそう感じたのかもしれません。やっぱり71年って大昔だし。


で、わたくし、ただの歌についても常々思っていたんですけれど、歌詞が聞き取れない。どうしてもメロディのほうが気になってしまって歌詞の意味まで気が回らないということを再確認いたしました。で、すべての台詞が歌になっている完全ミュージカルだとこれ致命的なんでございますの。なもんでちょっと話が追えなかったところもありました。なんとなく知っている話、ということで見通した次第(前半ちょっとウトウトしました)。


いちばんノリが良くて楽しかったのはメインの筋とはほぼ無関係なヘロデ王(北澤裕輔)のシーン。油田王ですか?というような浮きまくった装いでへそだし美女4人を侍らせながらジーザスに向かって「水をワインに変えるそうだな、やってみろ。ほれほれ♪」みたいに詰め寄る姿が楽しそうでたまりませんでした。ヘロデ王の顔がどことなく丸山明宏に見えたことも影響しているかもしれないけれど、とっても良かった。


もう一箇所は終盤、ジーザスが捕まった後のシーン。今度は3人のヘソ出し娘が舞台左袖でゆらゆら踊りながら「ジーザ(ス)クラィー(スト)、ジーザクラィ♪」って歌い、舞台右袖でユダ(芝清道)がそれまでになく楽しそうに歌うシーン。


このときのユダはもうなんか吹っ切れましたと言う感じでノリノリで歌っていたので見ていて楽しくなります。もっと前からこの調子でやれば傑作になってたのに。最初ッから弾けて飛ばしたユダが見たかった。というかこの舞台の主役ってたぶんこのイスカリオテのユダなんですよ。いちばん出番が多くていちばん歌って目だっていたし。


ジーザス・クライスト(神永東吾)は人間じゃないのであまり歌わない。最後息絶えたところを凝視してたんだけど、あれ息してない。止めてるきっと。偉いね役者さん、と思いました。復活までやるかな、と思ってたけどそのまま終わり。ん。