冬のライオン [The Lion in Winter:1968]

見た。


イングランド国王ヘンリー2世(ピーター・オトゥール)、王妃エレノア(キャサリン・ヘプバーン)、3人の息子リチャード(アンソニー・ホプキンス)、ジェフリー、ジョンとフランス国王フィリップ(ティモシー・ダルトン)が主要登場人物で、舞台はシノン城というお城。


ほとんど密室劇で舞台みたい、と思っていたら元々ブロードウェイの芝居だったらしい。


国王に王妃、王子たちという登場人物に舞台がお城。なんだけど床は地面むき出しというか藁がしいてあったりそこら中に犬がうろうろしていたりと小汚い。衣装も男に関しては小汚い。風呂入ってないよなお前ら、という風体。


そういったあたりが気に入ったし芝居もみなさん気合が入っていて面白かったんだけどそれも中盤まで。最後は長く感じてしまった。ハイテンションなんだけど単調。見ていて疲れる。


しかもお話自体、なんだかんだ言ってるけれど夫婦喧嘩だったり親子喧嘩だったり兄弟喧嘩だったりなわけで(フランス国王にしたって親戚だし)、要するに家族の喧嘩かよ!というつっこみが自然と喉を突いて出てくるので、激しい言い合いを見ていても「いい加減殺しちゃえばいいのに」くらいにしか感じなくなったりした。


結局のところ「今日はこれくらいにしといたるわっ!」「また来年のクリスマスな!」ということになるんだろうと予想したらそのとおりだったので脱力しました。あんな喧嘩に巻き込まれて首をかき切られた衛兵がとってもかわいそうであった。


ただまあこれが映画デビューだというアンソニー・ホプキンスとティモシー・ダルトンは若くて演技にも力が入っているし、熱演というとピーター・オトゥールは頭一個抜けているし、同じく熱演しているけれどちょっとこれすごいわ、怖いわというのがヘプバーンだったりして、まあ悪くはなかった。


でもまあ迷惑な一家だ。『マイティー・ソー』の迷惑兄弟を思い出した。