フライ・ボーイズ 【Flyboys:2006】

この前は第一次世界大戦に参戦したオーストラリア軍の映画『誓い』を見たけど今回も同じ第一次大戦もので、同じくちょっと変り種。





第一次世界大戦(まだ二次大戦が存在しない世界なのでグレートウォーと言ってた)のヨーロッパ戦線に志願兵・義勇兵として参加(アメリカ合衆国はまだ参戦していない)したアメリカ人による航空機部隊、ラファイエット飛行中隊(マスコットにライオンを飼ってる)のお話。


抵当に入っていた実家である牧場を銀行に取り上げられた主人公が行員相手に事件を起こし、逮捕状が出されたが「保安官に30分待ってやる、俺なら町を逃げ出すね」と言われたのでその言葉通りに逃げ出しそのまま志願兵に。


主人公以外の隊の面々の背景・動機はバラバラでそれぞれ時間はかけずにさらっと説明されているけれどそれで十分といううまい作り。


新人は飛行機に乗るのが初めて、フランス語を話せるのもフランスでボクシングをやっていた黒人(フランスでは差別が少なかったので恩を返したいらしい)を除いて話せないという状態。


ラファイエット隊、ドイツ軍両方に撃墜王がいる。フランス側の撃墜王はすでに同期全員を失っていて新人を迎える態度も過剰なほど素っ気ない。僚機が撃墜されると、隊が帰還した後にまた一人で飛び立ち仇(仇そのものが駄目でも同じ数だけ敵を落とす)をとってくるというスタイルで黙々と日々撃墜数を重ねている。


ドイツ軍側には白い撃墜王と黒い撃墜王の二人がおり、白いほうはフランス敵機が機銃の弾詰まりを起こしていれば「対戦はまた次に」といった具合にはあくまで正々堂々の戦いを良しとするのに対し、黒いほうは不時着して地上を歩いている敵パイロットを容赦なく撃ち殺したり、即死していない死にゆく敵パイロットを間近に見つつ不敵な笑みを見せつけたりしている。


複葉機爆撃機(たぶんハンドレページ O/400:Handlay-Page O/400)は大型で飛んでいるところを見ているだけでも面白い。


飛んでいるだけでも、は本当だけどやっぱり複葉機同士の空中戦がいちばん面白かった。他には、塹壕戦の中間地帯への不時着(『ロング・エンゲージメント』でも同じような状況が)と救出(ジェームズ・フランコ腕切断役者と言ってもいいよね、もう)のシーンなんかも。


大規模空襲をたくらむドイツ空軍のツェッペリンとその護衛部隊を阻止しようとする航空戦は特に見ごたえがあった。ここでようやくフランス側の撃墜王撃墜王たるゆえんを初めて見ることができる。


ヒロインのフランス娘がかわいい。ジェニファー・デッカーという名前らしいけど初耳。レイチェル・ワイズジュリエット・ルイスを足して2で割ってデブラ・ウインガーをふりかけたような、そんな顔。