007 スカイフォール 【Skyfall:2012】

見た。


ネタばれするですよ。


もうサム・メンデス酷い。許せん。こら。


私はジュディ・デンチのMが好きだったのに!殺すなんて!


私は最後の最後まで死んでないと思ってた。ボンドが抱きかかえた彼女の瞼を閉じる瞬間も「バカ、まだ死んでないっ」とか言いつつ平手打ちでも食らわせてくれるんじゃないかと思っていた。それが…


でもまあ綺麗に撮られてはいた。最後のシーン、ハビエル・バルデムと向かい合ったときの彼女の表情。すこし驚いたような困惑したようなそんな顔。かわいいんだ。初めてかわいいと思った。まあ犬顔だし、これまでだってきらいじゃなかったけど。ジュディ・デンチのMこがそ今作いちばんのボンド・ガールだった。まあ半分おかんでもあったんだけども。バルデムなんて鼻水たらしながら「おがーちゃーん」ていうくらいお母さんキャラとして扱っていたし。ということはみんな彼女の息子たちだったと、バルデムとダニエル・クレイグは兄弟だったと(工作員には家族のいない天涯孤独な男が良いとMも言っていたし)。



サム・メンデスにアクション撮れるの?などと書いたりしてたけどちゃんと撮れていた。冒頭からの一連のアクションはかなり面白かった。列車で運んでいたユンボ動かして切り離された車両を繋いだり、面白い(ちょっと『カジノ・ロワイヤル』の冒頭と重なる)。戦車のようにビートルを踏みつぶすし。そういやマニーペニーの運転していたレンジ・ローバーが、そのボロボロっぷりが、すごいヨカッタな。


話はまあなんというかどうでもいい感じ。敵キャラはバルデムなので顔はすごいんだけどちょっと弱いかもしれない。とはいえ007はいつもそうだったし、問題ない。なんども年だ年だといわれながら職務を全うする007や意外な過去を持つ新しいM、Mのジャガーから乗り換えたアストン・マーチン(懐かしい秘密兵器満載!しかもBGMがアレンジされてない最初の曲がかかる)なんかを見ても「オールドファッションの復活」というのが柱になっている。


そのせいなのかどうみても「007映画」になっていてどこがサム・メンデス映画なの?というふうに感じた。007もいろいろあったけどどうもショーン・コネリーのときの007っぽい。ジェームズ・ボンドのルーツも一部明らかになったんだけどショーン・コネリーと同じスコットランドだったし(スコットランド人なのにイングランドのために!とか言ってるの。あれはなんでかな?)。


ま、逆にサム・メンデス映画ってどういうものなの?ということでもあるんだけどよくわからない。『アメリカン・ビューティー』『ロード・トゥ・パーディション』『ジャーヘッド』『レボリューショナリー・ロード』とざっと思い出して脳内で並べてみると、なんとなく共通した何かがあるとは思うんだけどうまく言えない。これこれこういう撮り方が多い、とかこういうモチーフが多いとか、そういうの。


とにかくこれは間違いなく007映画だった。ん。あとサム・メンデスは007のファン。間違いない。