ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋 【W.E.:2011】
マドンナが監督したというので見た。
お話は、去年の映画『英国王のスピーチ』
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の主役だったジョージ6世(コリン・ファースが演じてた)の兄でエドワード8世(ガイ・ピアースが演じてた)とその愛人(のちの夫人)ウォリス・シンプソンがメイン。
メインと言ったのは、このエドワード&ウォリスとは別に現代のNYのウォリーという女性の話が並行して進む。ウォリーという名前はウォリス・シンプソンのファンだった祖母と母が付けた名前でありウォリー自身もウォリスについて興味を持っている。
ウォリスとウォリーという二人の女性がそれぞれ夫婦関係に問題を抱えていてそれが互いにシンクロするように話が進んでいく。といってもまあ現代に生きているウォリーが一方的にリンクさせているんだけども。ただいつもはウォリーの前にウォリスの幻影が現れて会話するんだけど一度だけウォリスの前にウォリーのほうが現れる。まあこれだってウォリーの妄想なんだろうけど。
ややこしいな。要するにこの映画と同じような感じ。
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いうなれば『ウォリー&ウォリス』ね。構成はほぼ同じ。ただこちらの方が話が深刻。
驚くべきことにですよ、このマドンナ監督作品『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋(W.E.)』のほうが『ジュリー&ジュリア』よりもずーっと出来がいいです。
『ジュリ&ジュリア』は現代に生きるジュリーパートは全部削ってしまって昔のジュリア・チャイルドのお話一本にしたほうがいいと思ったけれども、こちらは昔のウォリスパートも現代のウォリーパートも同じくらいの比重で撮られていて、これはこれでいいかなと思った。
ただですね、この映画、正直にいってとても長く感じた。2本分をそのままくっつけたくらいに感じる。少なくとも1.5倍くらいには感じる。でも実際は119分なのでほぼ2時間なんだけど。
理由のひとつはやっぱり2つの話をほぼ等分に扱っているからだろうと思う。もう一つは“単調”だから。
“単調”といったけれど実はこの映画かなり手が込んでいる。ほんとにマドンナが監督したの?って思ったくらい。現代と過去の撮りわけだけじゃなく家庭用ムービーっぽい部分やニュース映像っぽい感じで撮ったものもある。35?と16?、8?の3種類のフィルムを使い分けてるらしい。
手が込んでるのはフィルムの種類の多さだけじゃなくシーンのつなぎ方(カメラがずっと上にむかって移動したあと次のシーンでは下りてくるとか、時代の切り替えの部分では必ずと言っていいくらい一目でどちらの時代なのかわかるような小物や家具なんかを映してから人物を映したり)やカメラの動きなんかも凝っている(よく回りながら映してるし、上から撮ったりアオリで撮ったり)。
目や手、指、顔などのアップもちょくちょく挟み込まれているけどそのタイミングというかリズムもわるくない。ちょこまかとよく動き切り替わるんだけど、思いつきで撮ったところはまったくないんじゃないかって思うような出来。
にも拘わらず“単調”なのは何故なのか?それはたぶん全編にわたって凝り過ぎているから。山場(谷場?かも)だけでなく何でもないシーンでもずーっと凝ってる。緩急というかそういう変化がない。スタートからゴールまで全力で走りました、っていう、そういう意味での“単調”ということ。あ、あと基本ずっと音楽が掛ってるのもちょっとしつこかったかな。
これでその辺も対応できるようになれば本当にちゃんとした映画監督としてのマドンナ誕生ってことになるような気がする。怖い。
役者についていうと、そっくりさん大会なのか?ってくらいみんな誰かに似ていた。
エドワード8世役のジェームズ・ダーシーはレイフ・ファインズ(あとちょっとベネディクト・カンバーバッチ混ぜたような)に似ていたし、お相手ウォリス役のアンドレア・ライズブローはアンジェリーナ・ジョリーに似ていたし、現代のウォリー役アビー・コーニッシュに至ってはシャーリーズ・セロンにそっくり。あとエドワード8世が最初に付き合っていた子爵夫人テルマ役ケイティー・マクグラス(Katie McGrath)はキーラ・ナイトレイにそっくり。一瞬「えつ?」ってなって本人かどうか確認してしまうくらい似ていた。なんでこんなキャスティングになったんだろ。
あ、あとモハメド・アルファイドの登場とお話の展開にはちょっと驚いた。だってどう考えても息子ドディ・アルファイドとダイアナ(元)妃の話とリンクさせていたから。
エンドクレジットでも驚いた。企業の名前にまじってロマン・アブラモヴィッチの名前とか出てた。あとゼイディー・スミスの名前もあった。なんだあのリストは?よくわからん。