曇り

時々雨。昨日から引き続きあったかい。最高18.4℃だけど最低気温との差がほとんどないので寒く感じないらしい。


自分の部屋。いつ目が覚めたのか窓際に立っている。


もう夕方なのか、日中だけど雨雲で覆われているせいなのか、それともその両方なのかわからないが窓の外はとても薄暗い。それでもいつも閉まっているはずのカーテンが全開になっており、照明が消えているとはいえ外からは丸見えの状態で落ち着かない。薄手の白いカーテンと厚手の青いカーテンを一緒に掴んで閉める。


出かけなければいけなかったので反対側にあるドアへ向かうが、ちょうどドアのところまで来たときバッテリーが切れたかのように体が動かなくなり両腕はぶらんとぶら下がったまま両膝をついてしまう。


頭も重く膝をついたまま上体が屈んでいくのを止めることができない。おでこが床につくかつかないかのところで止まるが動けない。そのうち瞼も閉じ始める。


半眼になったところで頭の中に部屋の見取り図が現れ自分が屈みこんでいるドアの向こうに続く廊下を誰かがこちらに向かってやってくる様子が示される。見取り図の廊下を赤い丸に囲まれた黄色いで書かれた「R」という文字が点滅しながら部屋に向かってくる。


ドアのすぐ外までやってきたとき右耳に歩く音が聞こえ、すぐに止まった。「R」という文字はそれがロボットであることを示していることをなぜか私は知っている。その「R」が部屋に入り私の後ろに回り込む様子が音から分かった。


次の瞬間、ほとんど正座するように膝をつき、両腕をだらんと垂らし頭を床につけんばかりに屈んでいる私の背中に重みがかかった。


「R」が私の背中におぶさるように乗っかかってきた、その重さだった。そのせいでいまや私のおでこが完全に床に押し付けられている。


「R」はロボットのはずだったが、背中に感じる暖かさと柔らかさから「R」が女であることが分かった。私は「R」に向かって言った。


「お前は俺か?」


彼女は「そうだ」と答えた。


「私は今から行かなければならないところがある。どいてくれ」と言うと彼女は


「迷惑をかければいいでしょ」と答えた。


私は外出を諦めるしかなかった。


いるはずのないロボットが現れ、その様子が脳内に表示された。次にそれが女に変わったが、その女は私自身であることを“私は知っていた”。そして彼女と会話した。彼女は女の声ではっきりと返事を返した。土下座のような恰好をしながら考えた。とうとう私も気がくるってしまったのだな、と。


そこで頭痛とともに目が覚めたが窓の外は夢のなかと同じようにひどく暗かった。