マイウェイ 12,000キロの真実 【마이웨이/My Way:2011】

見た。


マイウェイ 12,000キロの真実 Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)

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ブラザーフッド スタンダード・エディション [DVD]』(同じチャン・ドンゴンだ)のときも思ったけれど韓国映画の戦闘シーンは良く出来ている。今回はノモンハンでのモンゴル&ソビエトvs大日本帝国、ドイツvsソビエト、ドイツvs連合国と3つの戦闘シーンを見ることが出来る。ドイツvsソビエトはちょっと薄めだけどほかの二つは中々の迫力。


主人公はオダギリジョーチャン・ドンゴンの二人。子供時代から青年になるまでの京城のシーンも街並みや日本人と朝鮮人の関係などそれっぽく見えて面白い(白竜を日本陸連?かなにかのエライさんにしてるのはどういう皮肉かと)。ただ表記は「日本によって占領された京城」となっていて日韓併合は認めていませんという感じ。


しかし外国映画で初めて本格的なノモンハン見るとは思わなかった。肉弾戦というかソビエトの戦車の下にもぐりこんで爆破というのはなにかで読んだことあったけれどほんとうにあんな感じだったのかな。物凄く頭悪い感じだ。あとオダギリジョー着任前に退却した大佐を二等兵に降格させ切腹までさせているけどほんと?やりすぎな気がするけど。


その後ソ連軍の捕虜(というか戦争犯罪人として扱われていた)となった二人がシベリアかどこかで強制労働させられるんだけどここもなかなか興味深いパートだった。今まで見たどの映画よりも寒そうだった。で、捕虜交換が成るかもしれないと期待を持っていたが実現せず、天皇の赤子が天皇に見捨てられたかもしれないという思いがじわじわ浸透していく様子とか面白い。


で、対独戦のために兵力が必要だったために収容所の捕虜も送り込むことになるんだが、捕虜たちの集団にソ連軍の制服を投げ込み参加する気のあるやつは着替えろといいながら一方でどんどん撃ち殺していくあたりいかにもありそうでおそロシア


そうやって志願を装わされて放り込まれた市街戦ではとにかく突っ込めというノモンハンの帝国軍に負けず劣らず頭の悪そうな作戦で機関銃の待ち受けるドイツ軍に突っ込まされ、「これは無理」となって引き返そうとすると味方であるはずのソ連軍に後ろから銃撃されると言う地獄。これは『スターリングラード [DVD]』なんかでもやってた。


で、そこでも生き残った二人は息も絶え絶え雪山を越えてドイツに入り3年後。なぜか二人揃ってドイツ軍の制服を着てノルマンディーに配備されていたりする。


そんなアホなという展開だけども、そして最後なんかはもうこれ『戦火の馬』でしょ状態(人間だし、しかも二人だけど)になるんだけども、そしてちょっとお前らしゃべりすぎだろな状態になるんだけども、まあファンタジーということにしても大丈夫なくらい他がすごいので問題ない。テンション高いし。


まあ通してみてみるとどこの国の誰がどこの軍隊の制服を着ていてもまったくといっていいほどなんの問題もない、ということが良くわかるという点ではなかなか素晴らしい映画だった。入れ替え可能なのね(とはいえドイツ軍が一番ましに見えた食事という点では)。兵隊というのは一兵卒はもちろん将校だっていくらでも代わりはいるのだ。ただの人間にとって戦場というのは究極の使い捨てシチュエーションなのだ。


そうそう。チャン・ドンゴンの幼馴染の役を演じていたキム・イングォンが宮川大輔に見えてしょうがなかった。宮川大輔の脳天どついて縦横比1対1にしたような顔。あと山本太郎が見た目にぴったりな役をやっていて面白かった。キャスティング良いよこの映画。