ジョン・カーター 【John Carter:2012】

予告編からの予想およびアメリカでの興行成績の不振のニュースなどにより当初見る気がなかった映画だったけれど、TwitterやG+での評判がよかったので見てきた。その後の情報により『バトルシップ』のほうがさらに面白く『ドライブ』に至っては“凄い”という事らしいのでホゾを噛んだちょびっと。


元南軍大尉のジョン・カーターが北軍と入隊しろだの戦争はもういやだのひと悶着を起こした挙句伝説の蜘蛛の洞窟に飛び込むことになったがそこは実は地球と他の太陽系惑星を結ぶポイントであり、襲い掛かってきた管理人らしい男を返り討ちにしたカーターはその男が持っていたメダルを手に取ったことで火星へ飛ばされてしまう。火星では地球人と同じ人類(らしい)が作る二つの国と人間の2倍近い身長で緑色の体をしたサーク族が争っており、そこへ放り込まれたカーターは重力の違いのせいか、スーパーマンのような存在となり、その争いに巻き込まれていく。


普通の人間がスーパーマンになって正義の味方として大暴れ、という単純なお話。妻子を殺された過去も、複数の勢力が争っている火星という舞台も、カーターが大暴れするためだけに用意されているだけなんだけど、取ってつけた感がでないくらいにきっちり作りこまれているので大丈夫。


映像的には丁寧に作られているんだけども新しいものはなくて、これまでに見てきた多くの映画から切り出して質を上げて貼り付けた感じ。『スターウォーズ』(生物とかね)や『タイムマシン』『アバター』『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』『マイティー・ソー』(いろいろ似てるかなり似てる)『フィフスエレメント』もかな?そういういろんな映画のイメージを連想した。


へんなところもある。サーク族ってどうみても戦闘民族で実際火星人類と戦っても強い。主人公が活躍するという点で白兵戦・肉弾戦でないと面白くないのでああいう世界になってるんだろうけど、体でかくて力も強くてしかも腕が4本あれば圧勝だと思うんだけどどうも火星人類にくらべて勢力がずいぶん劣っているように見えた。あとジョン・カーターが火星人類の国のひとつヘリウムの王女と結婚を決めるんだけど、おいおまえちょっとまてまだパンツだって脱がしとらんだろ脱がしてから「ちょ、こ、これ無理」とかなったらどうするんだ?とか。あと、これはおかしいというかわからないことなんだけど、マーク・ストロングたちの存在は結局なんだったの?とか。


面白かったのはヘリウムの皇帝とその右腕がそれぞれキーラン・ハインズとジェームズ・ピュアフォイが演じていてそのまんま『ROME』だったので、ぜったいそのうちジェームズ・ピュアフォイ裏切るで、これ?と思ってみていたけれどいいやつのまま終わったとこ。ごめんピュアフォイさん。


でもまあ一番よかったのは、というか最高だったのは、というかこの映画はこいつのために作られたんだろ?というのがなぞの生物ウーラさん。ウーラさんが出てきたときにはわけがわからなすぎて、サーク族の赤ちゃんだと思っていた緑のちっこいの(ドラゴンボールのサイバイマンっぽいの)が実は赤ちゃんじゃなくてこいつの子供かもしれないと思ったくらい。どうも番犬のような存在らしい。というか巨大なヒキガエルのような見た目と極めて特殊な性質・能力を除けばほとんど犬


その極めて特殊な能力を見た瞬間“えーっ?えーっ?えーーーwww”ってなりました。このウーラさんのおかげでこの映画はとっても楽しい映画になりましたありがとうウーラ。


「きもかわいい」という形容もかなり浸透してきた2012年のにっぽんですが、とうとうキモカワキャラのひとつの到達点、いや完成形、いや最高峰が現れたのです。それこそがウーラ!ウーラかわいいよウーラ!