J・エドガー 【J. Edgar:2011】
これも昨日みた。『ドラゴン・・・』が158分でこれが137分。あいだが30分しかなくてバーガー・キングでかっこんだ。
J・エドガー
1919年のパーマー司法長官宅の爆破テロから始まる若き日のJ.エドガーと1972年ニクソン大統領の時代、FBI長官を50年ちかく続けてきた自身の回顧録を口述筆記させている年老いたJ.エドガー、その間を行きつ戻りつしながら話が進んでいく。
すごく癖のある人物、評価も分かれていそうな人物を描いているにもかかわらずあまり強烈に感じるところがない。踏み込み具合のバランス感覚というのか。
タイトルとなっているエドガー・フーバーその人よりも彼が関わってきた事柄のほうが面白い。エドガーが図書館のカード分類を作り出したという話なんかも意外だった。
当然ルーサー・キング・ジュニアに対する盗聴とそれを使った脅迫とかロバート・ケネディ(ジェフリー・ドノヴァンが演じているんだけど角度によってはかなり似ていたのでびっくりした)との関係とかリンドバーグの息子が誘拐・殺害された事件(エドガーはこれを契機に誘拐を連邦犯罪として認めさせた)とか。
どれもそれだけで一本映画にできそうな話がごろごろしてるんだけど、それらをちょびちょび掻い摘んで、その間にエドガーという個人の様子を見せていく。フーバーを使わずにエドガーってタイトルにしたのはやっぱりこっちを主に考えていたんだろうけどイマイチ踏み込みが足りない感じ。能力はないと考えながらも副長官に起用したクライド・トルソン( アーミー・ハマー)との関係も、殴り合いのシーンは面白かったけれどなんというかいまいっぽ足りん。足りないという感じが一貫していたので逆にそこがいい、という見方もあるだろうけど。
エドガーにもっとも影響を与えたであろう人物が彼の母アンナ・マリーでジュディ・デンチが演じているんだけど、迫力がありすぎて凄い。もうこれはJ.エドガーの映画ではなくて『サイコ』の前日譚なんじゃないのかと思うくらいすごい重圧感。ということでジュディ・デンチは正解かも。
あ、ニクソンもリンドバーグもときどき凄く似ていたな。