晴れ

観劇。


雪組のミュージカル『Samourai(サムライ)』(〜著・月島総記「巴里の侍」(メディアファクトリー刊)より〜)です。


パリのサムライということで、のほほんとしたコメディを想像していた。なんというかチョンマゲ頭で羽織袴に二本差しがシャンゼリゼでも歩いて騒動が起こったり、みたいな感じの。


予想は外れた。外れたどころではなかった。薩摩の侍外交官・前田正名にその友達で官費留学生(士官学校)の二人が主役なんだけどパリへ行く前に日本で坂本竜馬に会っていたりする。それはいいんだけども。


彼らがパリ滞在中に普仏戦争が始まり連戦連勝という新聞報道がつづいていたにもかかわらずナポレオン3世は降伏、パリがプロシア軍に包囲されパリ市民も市民兵を組織し、戦い犠牲を出している一方フランス正規軍はまともに戦闘をしなかった。なんとなれば正規軍の貴族出身の将校たちははひそかにプロシア軍と通じて自らの権益保持を交渉していたわけで、プロシアからそれなりの言質が得られたのかある日、市民兵に向かってプロシア軍への降伏を宣言、市民兵武装解除しようとする。が、市民兵は納得せず抵抗すると、今度は正規軍VS市民兵という構図でパリ市街戦が始まる。


ということでなぜか二人の侍が市民兵となり、そのままパリコミューンに参加して敗れる、というお話だった。なんという奇想天外な!ちょっと『ラスト・サムライ』を思いだしました。


構成自体はいろいろまずいところもあるけれど、設定勝ちというかお話だけで面白い。ほんとに史実なんだろうかね。ちょっと原作読んでみたい。


まあ小さめのホールでど真ん中の席で舞羽美海音月桂が見られたのでよかった。席はそこそこ埋まっていたんだけどなぜか私の前だけ開いていてまっすぐ舞台が見られた。といっても2階席なんだけど音月&舞羽の二人がなんどかこっちを見てくれたのでそれだけで浮かれてしまった。