久しぶりに。


福島第1原発:作業員の被ばく線量 管理手帳に記載せず - 毎日jpという記事。


東京電力福島第1原発の復旧を巡り、作業員の被ばく線量の上限を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げた特例措置が現場であいまいに運用され、作業員の放射線管理手帳に線量が記載されていないケースがあることが分かった。関係法を所管する厚生労働省は通常規則に基づき「100ミリシーベルトを超えると5年間は放射線業務に就けない」とする一方、作業員の被ばく線量を一括管理する文部科学省所管の財団法人は「通常規則とは全く別扱いとする」と違う見解を示し、手帳への記載法も決まっていないためだ。

(強調は引用者による)



そもそも線量計がリアルタイムの表示だけで積分値を記録するタイプに見えなかったんだけど、その数値すら記載していないという。以前には線量計の数が足りずに数名ごとに一台ということもあったし、タービン建屋でベータ線熱傷事故も起こしているし、だれも現場の人間を守ろうとしていないのは、もう間違いない。自衛官や消防のような公務員ならともかく下請け孫請けの人などはほとんどまともな人間として扱われていないみたい。まあ予想はしていても緊急事態のドサクサにまぎれてこうもあからさまに見せられるとなんというかもうほんと馬鹿しかいないのねと。


とはいえ、この記事で興味深いのは次の部分。


復旧作業にあたる2次下請け会社の男性作業員(30)は3月下旬、現場で元請け会社の社員から「今回浴びた線量は手帳に載らない」と説明された。「250ミリシーベルト浴びて、新潟県の東電柏崎刈羽原発で働くことになっても250ミリシーベルトは免除される」と言われたという。




これ、要するに今回250浴びても手帳に載せない、記録に残らないからその後も続けて働くことができますよ、仕事出来ますよ、という意味だと思うんだけど。これまで流通していた原発にまつわるうわさ程度だった話も事実だったのだろうなと思わせるに十分な内容。


まあ、緊急事態だからこそこういう下請け孫請けの話が押さえ込まれずに大手新聞社の記事になって載ってしまったということなんだろうけど。


実験していても、同じような理由で事故を恐れることはある。つまり、一定線量を越えてしまうともう実験出来なくなってしまうので、なんとか数値を抑えたいと。まあ普通にやってれば問題ないんだけども。ただ、実験は本人が勝手にやりたいからやってるのであって、お金のため生活のためではないからなぁ。