ヒアアフター 【Hereafter:2010】
観た。
サンフランシスコとパリ、ロンドンの3つの町で別々に進んだ話が最後ひとつにまとまる。
思っていたより、というか冒頭の大津波のシーンをみて予期したような濃さはなく、淡々とすすみあっさりとおわった。あっさりというかバツンと断ち切れたような感じ。
扱っている内容が内容だけに慎重にいったのかという気もする。大津波に飲み込まれて臨死体験をしたマリーも、その体験を出版していろいろな反発や批判を受けたという台詞を言っていたくらいで、当然この映画自身も扱いを間違うとエライことになるということは分かっていたはず。
あと、大津波もロンドンのテロも実際にあった事件で、実際に被害者もいたわけで、そういう点からも軽薄なことは出来ないということもあったかなと。
じゃあこの映画はなんかダメだったか?というと実はそういうわけではなく、映画が始まる直前まで眠くてしょうがなかったにも関らず、そして昨日の読書会ですらウトウトしたくらいの私が、一切気が緩むことなく最後まで観たので、悪くはないと思う。直接説明できないのがなんともあれだけど。
サンフランシスコで主人公のサイキック、ジョージ(マット・デイモン)がイタリア料理の料理教室に通うシーン。ペアを組んだ女性がメラニー(ブライス・ダラス・ハワード)。いまは泣きシャマランの『ヴィレッジ』のあの人。これが結構良かった。
味覚のテストで、目隠しをしたままパートナーにスプーンでいろいろ食べさせられて味や食感を説明しつつ何を食べたかを当てるシーンが、これ、エロイ。かなり時間をとってるようなきもする。エロイ。食べさせ、食べる。それだけでエロイ。ありゃいい。
ま、料理教室の最初の回で、パートナーを決めるときに自分がメラニーにあたるんじゃないかとソワソワしていた糞狒狒爺もいい演技してたけど。男は死ぬまであほだな。
最後、あっさりしてるんだけど、あのときジョージが見たのはヴィジョンではなく、予知でもなく、予感だったんだろうと思う。初めて、幸せな未来を予感することが出来たところでおしまい。ま、ただのよくある男のスケベな妄想の可能性も高いけど、っちゃあね。
慎重な映画だったと書いたけれど、一箇所すこし気になった。それは科学者に、臨死体験で見たエデンの楽園というものは宗教による影響ではないんじゃないかという台詞。訳の問題かも知れないけど。