北京大学てなもんや留学記
こないだ新刊買いに行ったらなかったので代わりに買ってきたこれ読んだ。
- 作者: 谷崎光
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/07/10
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
谷崎光さんの本は同じ文春の『中国てなもんや商社』以来2冊目。たった2冊でこういうのもあれですが、この人の本は読んでいてなんかこう楽しい。
もちろん本の中に出てくる中国人の言動が日本人とはぜんっぜん違ってて面白いんだけども、それだけじゃない。谷崎さん本人がかなり面白いし、よーく考えてみると一種のサクセスストーリーだし、ということで楽しい。まあ、書かれていないだけで本当はたくさん苦労があったとは思うんだけども。
あとは、目線が低い点。もっとかっこつけてもよさそうなんだけど、常に目線がふつーの高さにあるので読んでて肩が凝らないし、結構珍妙な出来事が書いてあっても、あーこりゃほんとのことなんだな、と自然に受け入れてたりする。中国(人)の良いところ、悪いところの記述のバランスもいいのかも。解説は池上彰さんなんだけども、
筆者の谷崎さんは、いったい中国が好きなのか、嫌いなのか。
『北京てなもんや留学記』解説
という一文から始まるくらいで、良い点悪い点の比率は同じくらい。でも、どちらについても率直に書いてある、という感じを受ける。
ま、そのあたりは自覚あるようで、というかそういう風に努めて書かれているようなので、それは十分成功してますよと。
見たこと考えたことをストレートに、あの時の私に見えたままに、誰にも遠慮なく書きました。
あとがき
ただちょっと怖いなーと思ったのがやっぱりというか『反日教育』について。世代によって考え方が全然違う(いちばん日本に痛い目にあわされたはずの世代が一番やさしいとか)ということなので怖いのは一部だけ、ということなんだけども。
特に今の二十歳前後は、物心ついたときから反日教育を受けているし、経済発展で上の世代ほどは日本に引け目もあこがれもない。これから先十年二十年は日本は本当にしんどいと思う。
『巨大な嘘と反日と』p261
これは2008年の記述。で、つい先日のこのニュース。
最初に中国海軍の艦載ヘリが異常接近したのは8日午前。当時、中国艦隊は東シナ海中部海域でヘリの発着艦訓練を行っていた。すずなみとの距離は4000メートルほど離れていたが、次第にミサイル駆逐艦を発艦したヘリが近づいてきたという。駆逐艦の司令部からヘリに対し、「それ以上、日本の軍艦に近づくな」と、何度も無線で指示が発せられていたが、ヘリは命令を無視し、すずなみのマストより低い高度約30メートル、距離約90メートルまで急接近した。
うーん。きっかけは一部のバカの暴走でも、いったん火が付くと爆発的に拡大する素地(ある年代以降の世代限定といっても、ねぇ)が出来上がっているような印象を受けたので、このニュースはだいぶ恐ろしかった。ま、中国共産党自信も怖がってるんだろうけどな。