戦場でワルツを 【WALTZ WITH BASHIR:2008】

これを観てきた。


ahref="http://www.waltz-wo.jp/"戦場でワルツを


はじまってすぐ野犬の群れが町を走り抜けていくシーンでぐっとつかまれた。


スキャナー・ダークリー』のようなアニメーション映画。内容は過去に従軍したときの影響で野犬に追われる夢を見続けていて、何とか助けてほしいと戦友から頼まれた映画監督が、自分自身もそのときの記憶がすっぽり抜け落ちていることに気がつき、当時の関係者を訪ね歩き、そのときの記憶を呼び覚まそうとするドキュメンタリー。具体的に言うと、レバノンで起こったパレスチナ難民虐殺にかかわったイスラエル軍のお話。


いやぁ、これはなんだ。本木雅弘本人がこの映画こそがアカデミー賞本命、と言ったというのもそりゃしょうがねえと思わせる映画。というか、私は『おくりびと』が一般公開前にアカデミー会員向けに上映したりいろいろプロモート活動をやったから外国語映画賞を獲れたと思っていたけれど違うかもしれない。この『戦場でワルツを』という映画が内容からして反ユダヤイスラエルなもんで政治的な理由から弾かれた結果『おくりびと』に回ってきただけ、という感じがした。そりゃもうラッキーとかじゃなくって、恥ずべきというかバカにされているわけで怒っていいレベルなんじゃないんだろうか。『おくりびと』はつまんない映画だったからしょうがないといえばしょうがないけどさ。


いろいろ面白い映画だったけれど、結局なにがいちばん怖かったかと言うと、19歳だった監督の当時の戦場での記憶(休暇中の記憶は鮮明)がすっぽり抜け落ちていた、という事実。