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読んだのがこれ。
- 作者: 吉村昭
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1982/11/29
- メディア: 文庫
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面白かった。ちょうど京都-品川間で読めた。
短い文章が延々と連なる。どこかで読んだような気がするなーと思ってた。途中で気がついた。「男たち」を連呼しているところで分かった。プロジェクトXのナレーションそっくりだった。
ま、そんなことはどうでもいい。羆の人間ぽさというか個性も面白いんだけれど、やっぱり一番面白かったのは仕留めた熊撃ち、マタギ。
ごつくて酒を飲んでは暴れて村中の連中から恐れられて嫌われていた男が、この人食い羆との対決だけは、まさしくプロフェッショナル。頑丈な開拓民や警官、百数十名が怯んで及び腰というか逃げ腰になっているところをたった一人でずかずかと山に入って熊を追跡していく。かっけー。
また台詞がかっこいい。警官のもっていたぴかぴかの水平二連で連射できる新式銃についてひとこと。
「おれは連射というやつが嫌いでね」
聞いたかこらー!MSGでバンバン連射しているバカ@Oparation7は恥を知ればいいと思うよ!
ま、この熊撃ちの鬼銀は猟が終わるとろくでなしに戻ってしまったんだけども、この人の最期がまたすさまじい。
年老いて足腰立たなくなってから、ダダ捏ねて息子にしょってもらって山に入って置き去りにしてもらい(ほとんど姥捨てじゃん)、10日後息子が迎えにいってみると50mはなれたところに二頭の羆が転がっていたという。このとき83歳。ばけもんだ、この爺。
解説を倉本聡が書いているんだけど、ここにもまたすさまじい熊撃ちの爺が登場する。すげえ。
おれ、マタギになる!きめた!