昨日書いたスティーブ・マックイーンの『ブリット』のカーチェイス。サンフランシスコの坂道でバウンドしながら追いかけっこした初めての映画じゃないのかなぁと。


世の中、あたまのおかしな人がいるんですねぇ。


カーチェイス映画の文化論

カーチェイス映画の文化論




映画の中のカーチェイスについて一冊本を書いた方がいらした。ふははははは。


ウェブサイトに抄録があった。


抄録

一、『ブリット』と『フレンチ・コネクション


 元祖カーチェイス映画とは何か? このように質問されれば、熱心なハリウッド映画ファンなら六〇年代に制作された、ある映画のタイトルがすぐ浮かぶはずだ。そう、元祖カーチェイス映画とはスティーブ・マックイーン主演、ピーター・イェーツ監督の『ブリット(Bullitt)』(一九六八)である。『ブリット』はカーチェイスをそれだけで見応えのあるスペクタクルとして描いた初めての映画なのである。

 『ブリット』は、サンフランシスコ市警の一匹狼の刑事ブリット(スティーブ・マックイーン)が不正資金洗浄の証人を、ギャング団から送りこまれた殺し屋から保護するというコップ・アクション映画である。この証人は結局、殺されてしまうのだが、ブリットは彼がまだ生存しているかのように装い、ブリットと殺し屋たちの様々な駆け引きが繰り広げられる。そして、両者の対決はサンフランシスコを舞台にした壮絶なカーチェイスで最高潮に達する。

 ハリウッド映画史に永遠に記憶される、このカーチェイスは静かに幕を開ける。ドッジ・チャージャーに乗った二人の殺し屋が、ブリットが運転するフォード・ムスタングを尾行し始める。彼らの目的はブリット殺害だ。

 二台の車はサンフランシスコ市内をゆっくりと移動してゆく。ありあまる馬力を秘めながら、そのパワーをおくびにも見せない二台のマッスル・カー。マックイーンと殺し屋たちの緊張した腹の探り合いが続く。

 やがて殺し屋たちはムスタングを見失う。あせりを見せ始める殺し屋たち。そこへ、ムスタングの姿が突然、彼らの背後に現れる。攻守入れ替わりだ。狩る者、狩られる者の立場が一瞬にして逆転する。

 そして、カーチェイスは劇的にスタートする。鋭い視線で背後からチャージャーを凝視するブリットがシートベルトを締める、「カチリ」。この小さな金属音をスタートの号砲とするかのように、殺し屋たちのチャージャーは突然、猛加速し、白煙を巻き上げてサンフランシスコの坂を駆け上がってゆく。猛追するブリットのムスタング。二台の車はホイール・キャップを跳ね飛ばし、宙を舞いながら坂を駆け下り、激しいチェイスを展開する。

 戦いの場は郊外へ移る。反対車線に飛びこみ、正面衝突の危険を冒しながらもチェイスをあきらめないブリット、そのブリットに銃弾を浴びせる殺し屋たち。ムスタングは体当たりで対抗し、道を外れた殺し屋たちのチャージャーはガソリン・スタンドに突っ込み、大爆発を起こす。歴史的なカーチェイスの幕切れである。

(強調は私)



ちょっと長く引きすぎかな。やっぱりあのカーチェイスは記念碑的なものだったのだ。うむ。エポックメイキングか。うむ。金字塔とは違うのか、違うなたぶん。